進む66歳以上の雇用
公明提案の助成金が効果
定年引き上げ1000社増
増加数は前年の7倍
継続雇用制度の導入も
「働けるうちはいつまでも」――。内閣府調査(2014年)によると、働いている60歳以上の人の約4割がそう答え、“70歳ぐらいまでか、それ以上”まで働く意欲を示した回答も含めると約8割に上った。こうした中、昨年10月に公明党の推進で企業向けに始まった国の「65歳超雇用推進助成金」が効果を上げている。厚生労働省が10月27日に公表した「高年齢者の雇用状況」(6月1日時点)で明らかになった。
それによると、従業員31人以上の企業約15万社のうち、定年が66歳以上の企業数は、前年比1044社増の2757社。16年調査では137社増の1713社だったことと比べると、前年比の増加数は7倍超となり、昨年10月の助成金導入を受けた伸びは顕著だ。
希望者全員が66歳以上まで働ける継続雇用制度を導入した企業数も、16年は前年比685社増の7444社だったのに対し、17年は同1451社増の8895社となり、増加数は2倍を超えた。同省高齢者雇用対策課は「高齢者雇用を促す助成金の効果が着実に出ている」としている。
同課では、助成金を申請した企業数などを踏まえて、「今回の調査の対象外である従業員30人以下の企業でも66歳を超えた継続的な雇用が進んでおり、調査で示された数字よりも、66歳を超えて働ける企業は実際にはもっと多い」とみている。
こうした動きをさらに加速させるため、厚労省は来年度予算概算要求で、助成金の拡充や相談支援の強化へ51億円を計上した。
公明党は、昨年7月に政府へ提出した「経済対策に関する提言」で、66歳以上の高齢者を雇う企業への支援を提案。その結果、「65歳超雇用推進助成金」は16年10月11日成立の16年度第2次補正予算に計上され、同19日にスタートした。
65歳超雇用推進助成金
法律上の義務である「希望者全員の65歳までの雇用」を超えた企業の自主的な取り組みを促すもので、定年の引き上げや廃止、継続雇用制度の導入を行った事業主に対し、実施内容や60歳以上の従業員数に応じて10万円から145万円を支給する。
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