予算委員会にて質疑 – 伊藤わたる衆議院議員

予算委員会にて質疑

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/ カテゴリー:ブログ / 作成者:伊藤わたる

おはようございます。今日の東京はとても寒いです。

さて、昨日2/5(水)は予算委員会で質問させて頂きました。新型コロナウイルスへの対応、児童虐待防止、高齢者運転事故防止と新しい自動車社会への対応など。
詳しくはこちら→https://youtu.be/upN96rI-4GY

では、今日も頑張ってきます!

予算委員会にて質疑

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、新型コロナウイルス関連で、これは冒頭、通告しておりませんので、ちょっとお願いベースで申し上げたいと思いますけれども、けさからニュースになっているとおり、クルーズ船に乗船をされていた方のうち十人が新型コロナウイルスの感染を確認をされて、医療機関へ搬送されたと速報で承知をしております。また、あわせて、厚労大臣の方から、船内の乗客には原則十四日間とどまってもらうというお考えを示された、これも速報で確認をしております。
 こうなると、いわゆる船内待機期間中にまた新たな感染者が確認をされると、例えば、そこからまた新たに十四日間船内にとどまってもらうといったことになりかねないのではないかということを少し心配をしております。
 例えば、船外に出て、なおかつ別の場所において十四日間待機してもらう、これは場所の確保という課題がありますけれども、いずれにしても、船内待機が長期化し過ぎないようにもしっかり検討して対応していただきたいと考えます。
 これは通告しておりませんので、では、総理、お願いいたします。

安倍内閣総理大臣 クルーズ船に対する検疫は現在継続中でありますが、船内において発熱等の症状のある方やその濃厚接触者等の検体を採取をし、そのうち三十一名分のウイルス検査の結果が判明しました。
 その結果、三十一名中十名の方から陽性反応が確認をされたわけでございまして、このため、本日午前七時半ごろ、検疫官が付添いのもと、これらの方々に下船をしていただき、海上保安庁の協力も得て、神奈川県内の医療機関へ搬送いたします。この十名の方は、患者として、感染症法に基づく措置入院といたします。
 新型コロナウイルスにおいて、ウイルスの有無を科学的に確認せずに疫学的条件のみで判断する場合には、最大十四日間の潜伏期間を想定した措置を講じてきています。残る乗員乗客の皆様には、これを踏まえて、当面上陸を認めないこととし、必要な期間に船内にとどまっていただき、感染を予防する行動を徹底しつつ、客室で確実に待機をしていただく中で、引き続き臨船検査を進めてまいります。
 ただいま委員がおっしゃった点等についても、我々も議論しておりますが、クルーズ船でございますので、それぞれ客室がございますので、その中でまずは待機をしていただくということを徹底していかなければならない、こう考えておりますが、乗員乗客の方々の健康状態の確認を最優先にしながら、感染拡大の防止に全力を尽くしてまいります。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。通告なしでお答えいただきまして、大変恐縮でございます。
 続きまして、新型コロナウイルス対策で、これは少し情報が古いんですけれども、菅官房長官、三日の記者会見で、この新型コロナウイルス肺炎への対応で、日本への入国を拒否した外国人は二日までに八人に上ると発表されております。
 一方で、邦人帰国者向けの第二便では、武漢空港で、搭乗前の中国側の検査で発熱などの症状が見つかった邦人複数名が中国側の判断で乗車できなかったと承知をしております。
 こうした形で帰国できなかった邦人の方、想像するに、大変御心配な状況になっているのではないかと思うものですから、こうした邦人への対応はどうなるのかというのが一つ。
 もう一つは、これまでにチャーター機で帰国した方々は全て日本国籍者であります。そう承知をしております。帰国希望者の中には、例えば中国籍の配偶者の方もおみえになると思います。また、外務省によりますと、中国側は自国民の出国については、今、前段の一問目の内容と沿っているわけですが、出国については慎重で、必要に応じて中国当局と交渉している、こういうふうに承知をしております。子供も含めて、家族が引き離されることになりかねません。丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 このような中国国内に在住する邦人の配偶者や家族で、日本国籍ではなく中国籍の方々への対応はどうなっているのか。以上二つ、外務大臣、御答弁をお願いします。

茂木国務大臣 一点目の、チャーター機搭乗時のメディカルチェック等の結果、経過観察が必要とされてチャーター機に搭乗できずに湖北省に滞在されている邦人七名につきましては、現在、現地に入っております医務官や在中国日本大使館員が、中国側の関係当局や我が国関係省庁と連携して対応に当たっておりますが、これらの方々も含めて、帰国をされる方々が全員帰国できるように、引き続き中国政府、関係省庁と緊密に連携しているところであります。
 そして、これまで、帰国を希望したいという方々全員の帰国を実現するべく、中国政府、関係省庁と調整を進めてきましたが、これまでのチャーター機三機におきましては、搭乗可能人員数であったりとか中国政府との調整の結果等を踏まえて、邦人のみが搭乗ということになりましたが、現在調整しております。
 できましたら今週中にもと思っておりますが、第四便以降につきましては、人道的観点等から、例えば中国籍の配偶者など日本国籍保持者と何らかの関係を持つ方々についても搭乗を認めてもらうべく、中国側と鋭意調整をしておりまして、調整は進んでおります。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 日々さまざまな課題が出てくると思いますので、御対応は大変かと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 もう一問、これは外務大臣にお伺いしたいと思います。
 今日、NGO、経済界、そして政府、これがそれぞれ対等なパートナーシップのもとで、それぞれの特性、資源を生かして協力連携をし、海外において人道的危機や自然災害が発生したときの緊急援助が、より効率的かつ迅速に行われるようになってきております。
 このあたりのことは我が党の遠山財務副大臣が大変造詣が深いわけですけれども、例えば、政府も財政支援をしているジャパン・プラットフォームというNGOの連合体、これもその一つであります。今回の新型コロナウイルスへの対応においても尽力をいただいていると聞いておりますが、ちょうど年度末に当たるものですから、十分な予算の確保が困難になっていると聞いております。
 既に成立をした本年度補正予算や政府の予備費をぜひ活用して、国際貢献という観点から、ジャパン・プラットフォームがその特性を生かして迅速な支援を中国に対して行う場合は追加的な予算措置を実施するべき、こう考えますけれども、外務大臣の御答弁をお願いいたします。

茂木国務大臣 中国におけます新型コロナウイルスの発生を受けまして、政府としては、これまでも、マスクであったりとか防護服等の支援物資をチャーター機に搭載して現地に届けてきておりますが、この際、民間企業、団体からもさまざまな支援物資の提供を受けたところでありまして、改めて感謝を申し上げたいと思っております。
 そして、中国での新型コロナウイルスへのNGOの対応として、伊藤委員からも御指摘いただきましたジャパン・プラットフォームの枠組みのもとで、現在、我が国NGOが対応を準備しておりまして、同プラットフォームにおいて今後の具体的な事業の検討が行われていると承知をいたしております。
 政府としましては、我が国NGOによります支援活動が検討されていることを評価をしておりまして、政府としても、財政面を含めて、可能な支援を行っていきたいと思っております。
 一方で、現地におけます感染者数のさらなる増加であったりとか地理的な拡大が懸念されていること、そして、武漢、湖北省以外でも、一部移動の制限措置であったりとか、航空会社の減便、運航の休止が始まっていること等も踏まえて、人の派遣を伴わない形で支援物資を送る等、支援のあり方についてもお考えいただけるとありがたいなと思っております。

伊藤(渉)委員 外務大臣、ありがとうございました。
 まさに、中国国内は二万人を超える感染者の方が発生をしておりますし、今大臣からいただいた答弁ももちろん重要な取組でありますし、日本国の邦人の保護はもとより、隣国である中国国民の安全のためにも、引き続きお力を尽くしていただけますようお願いを申し上げます。
 続きまして、児童虐待防止について一つお伺いをいたします。昨年の予算委員会では繰り返し取り上げられた児童虐待の防止について、その後の取組を確認をさせていただきたいと思います。
 父から虐待を受けていた千葉県野田市の当時小学四年生の栗原心愛さんが亡くなってから、本年一月二十四日金曜日でございましたけれども、丸一年が経過をいたしました。先月二十三日に公表された野田市の検証報告では、救えた命だったと結論づけられております。
 千葉県では、児相の職員増、行政を支援する警察や弁護士の配置拡大のほか、父親の威圧的な態度に行政職員が萎縮した教訓から、親への対応をロールプレー形式で研修も重ねているというふうに報道等で承知をしております。また、学校が家庭訪問しなかった反省もあり、担任が虐待事案に対処する場合、かわりに授業をする講師を派遣する、こんな仕組みも導入をしたと聞いております。
 一方で、一時保護所の児童数は一・七倍に増加をしており、人、物両面からの体制強化が引き続き望まれております。
 この予算委員会でもさまざまな角度から議論されておりますとおり、少子社会だからこそ、一人一人の子供たちが健やかに暮らすことができる国づくりを進めていかなければなりません。児童虐待を防止することはもちろん、児童虐待防止に取り組む中から、社会的に弱い立場にある子供たちにしわ寄せされてしまっている社会のゆがみ、根本的な原因を究明する努力も怠らず、課題解決に向けて取り組むことが重要だと考えております。
 日夜、今も現場で児童虐待防止のために奔走する関係者の皆様に心から感謝をしつつ、より充実した体制の整備、そして根本的な原因の究明への努力、大切な子供たちの命を守るための不断の取組を引き続きお願いしたい、こう考えますが、厚生労働副大臣の答弁をお願いいたします。

稲津副大臣 お答えいたします。
 虐待によって子供の命が失われる事件が繰り返されることはあってはならない、子供たちの命を守るのは私たち大人の全員の責任である、このように考えております。
 この強い決意のもと、平成三十年の十二月に児童虐待防止対策体制総合強化プラン、いわゆる新プランを決定をいたしまして、令和元年度から四年間で、現在三千人の児童福祉司を令和四年度には五千人体制にすること、また、児童心理司も令和四年度までに八百人程度増員すること、市町村において子供や家庭に対する相談支援を行う子ども家庭総合支援拠点を令和四年度までに全市町村に整備することなどを進めております。
 また、平成三十一年三月に決定をいたしました児童虐待防止対策の抜本的強化に基づきまして、令和二年度予算案では、児童福祉司等の専門職採用活動への支援の拡充、児童福祉司等の処遇改善、一時保護所の施設整備に係る費用の補助及び職員体制の抜本的な拡充などを盛り込んでおります。
 さらに、過去の児童虐待事例を分析をいたしまして、そこで明らかとなった虐待の要因を具体的な対策につなげていくことが極めて重要と考えておりまして、社会保障審議会のもとの専門委員会におきまして、児童虐待による死亡事例等の検証を行っているところでございます。
 今後とも、死亡事例検証等において、保護者の状況などを含め、虐待の要因等について分析を深めますとともに、検証結果を踏まえて必要な対策を行ってまいります。
 こうした取組によりまして、何よりも、今議員御指摘のとおり、子供の命を守ることを第一に、児童虐待防止対策に全力で取り組んでまいります。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 本当に現場は一つ一つ、まさに子供の命がかかわる事案でありますので、神経をすり減らすように虐待防止に取り組んでいただいております。よく現場の声を聞いていただいて、非常に効果のある予算の執行をお願いをしていきたいと思います。
 続いては、自動車社会の急激な変化と交通事故防止等について伺ってまいります。
 いわゆる団塊の世代の方々が二〇二二年以降から七十五歳以上になることから、医療、介護、年金などの社会保障制度の維持が重要な課題になることはもとより、今から質問させていただきます高齢者ドライバーによる運転事故防止、これも重要な課題になっていると考えております。
 全体の交通死亡事故が減少する中、六十五歳以上の高齢者ドライバーによる交通事故比率が上昇傾向にあると承知をしております。
 まず、これは武田国家公安委員長にお伺いしたいんですが、警察の取組として、免許更新に当たり講習を義務づけております。また、免許の返納も行いやすい環境整備が進められております。ただ、車がなければ生活ができないといった地域もありますので、ここは環境整備をまずしていただく。
 この関係で、実は現場でよく耳にする声では、この講習が大変混雑しておりまして、うっかりして講習の申込みを失念すると免許更新時期に間に合わなくなるんじゃないか、そういう心配の声が届いて、よく地元の警察署に御相談の取次ぎをしたりしたことがございます。
 これからますます受講者はふえることが予想されておりますので、まず現場においてしっかりと体制の整備を進めていただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。

武田国務大臣 御指摘のとおり、高齢者運転というのが本当にふえていっておりまして、この事故を防止することとあわせて、その安全というのも我々は支えていかなくてはなりません。地方にとっては、年寄りにとっては大変重要な足になってきているわけであります。
 警察では、免許の更新時に、実技指導を含む高齢者講習を自動車教習所に委託をしております。この待ち時間がやたらと長いというところの御意見というのを、先生方も寄せられておるということですけれども、我々もこれは大きな問題意識を持っております。
 そこで、いろいろな取組を始めておるわけでありますけれども、具体的には、体制を整備して、警察みずからが講習を行う直接実施、また、予約、相談窓口の拡充や、自動車教習所の予約あき情報の提供、更新期限が迫っている方への優先枠の確保などの対策を講じてまいります。
 引き続き、高齢者講習の受講待ち問題が解消されるよう、体制の整備、運用の改善の両面で対策を進めてまいりたいと思います。

伊藤(渉)委員 まさに現場の非常にきめ細かいことでありますけれども、大事な話なので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、一月三十日に成立をした本年度補正予算の中でのサポカー補助金、具体的には、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ、そしてペダル踏み間違い急発進抑制装置、これを装着した自動車について、六十五歳以上の方を対象に補助金制度を創設をいたしました。
 これは、登録車で十万円から六万円、軽自動車で七万円から三万円、中古車で四万円から二万円、既存車への後づけペダル踏み間違い急発進抑制装置購入補助で四万円から二万円の補助額と承知をしております。
 高齢者ドライバーの運転する車の安全性を高め、より交通事故の発生しにくい環境をつくる上でもとても重要な補助制度だと考えております。自動車関連業界と協力をして、ユーザーへの速やかな周知など、実施をお願いしたいと思います。
 そこで、確認をしておきたいのは、一つは、新車登録車、軽自動車、中古車、既存車への後づけ装置、それぞれの補助実施スタート時期など、詳細はどのようになるのか。
 また、全国の自治体では、独自に上乗せを検討しているところ、既にそうした補助を行っているところ、さまざまございます。丁寧にその自治体の相談に乗っていただいて、国の補助制度とあわせて、ユーザーに対する、より手厚い補助が行き渡るように、よく相談をして進めていただきたいと考えますけれども、梶山経済産業大臣の御答弁をお願いいたします。

梶山国務大臣 サポカー補助金につきましては、委員御指摘のように、一月三十日に令和元年度補正予算が成立したことを受けまして、二月三日には補助事業実施者を選定をいたしました。受け付け開始日や必要な申請手続事項等の事業の詳細は、整い次第、速やかに広く国民の皆様へ周知を図ってまいりたいと考えております。
 なお、登録車及び軽自動車に対する補助については、サポカー補助金の創設が公表されたことによる買い控えを防ぐ観点から、サポカー補助金の対象車種が決定された令和元年十二月二十三日以降に新車新規登録された登録車及び新車新規検査届出された軽自動車が対象となります。
 中古車や既存車への後づけのペダル踏み間違い急発進抑制装置に対する補助については、自治体との調整、システム整備等に一定の時間を要するため、この点も、整い次第、速やかにお知らせをしてまいりたいと思っております。
 一部の地方自治体において、サポカー補助金と類似の補助事業が既に実施又は検討されていると承知をしております。各自治体で補助の対象となる方の年齢や車両、装置などが異なるため、各自治体の状況を踏まえながら、よりよい制度とすべく、また利用者の混乱を防ぐべく、個別に丁寧に調整をしてまいりたいと思っております。

伊藤(渉)委員 ぜひ、予算は成立いたしましたので、コマーシャル等も含めて周知の徹底をお願いしておきたいと思います。
 続いて、経産大臣に、通告ではあと二問あるんですけれども、ちょっとまとめて御質問いたします。
 今申し上げたサポカー以外にも、最近は、高齢者が運転しやすい超小型EV、あるいは電動車椅子などが登場しております。こうした多様なモビリティーの普及はスピード感を持って進めていくべきと考えておりますけれども、どのように取り組んでいくのかというのが一点。
 もう一つは、次世代カーの開発に当たっては、これもこの予算委員会で再三話題になっております環境、この環境性能の向上も避けて通れないと考えております。
 先日のIPCCの特別報告では、温暖化が現在のペースで進むと、早ければ二〇三〇年に世界の平均気温はパリ協定が抑えようとしている一・五度の上昇幅を突破するおそれがあり、環境問題への貢献も不可欠だ、こう承知をしております。
 移動のサステーナビリティーを高めていくためには環境対策も必須であります。特に、世界的には車の電動化が進んでいきますが、その鍵となる蓄電技術、これは、吉野先生がノーベル化学賞を受賞されたように、日本が強みを持つ分野であります。我が国の競争力を高める上でも、官民で研究開発を進めていくべきだと考えております。また、このEVが普及をしてくれば、これを走る蓄電池として活用をして、再生エネルギーの普及にもつなげていくなど、エネルギー分野での活躍も視野に入ると考えております。蓄電池技術の開発及びエネルギー分野でのEVの活用などをどのように進めていくのか。
 以上、経産大臣にお伺いいたします。

梶山国務大臣 伊藤委員より二点御質問がありました。
 御指摘のとおり、高齢者を中心に、交通安全と生活に必要な移動手段を確保する観点から、超小型EVや電動車椅子等への期待が高まっております。
 経済産業省では、昨年八月に、有識者による多様なモビリティ普及推進会議を設置し、これらの多様なモビリティーの普及に向けた課題を検討してまいりました。十二月の取りまとめの中では、価格低減や認知度向上等の必要性が指摘をされているところであります。
 このような課題に対処すべく、令和元年度補正予算では、超小型EVの購入補助や電動車椅子を商業施設でシェアリングする実証事業等を実施をしてまいりたいと思っております。
 これらの事業を通じて、今後も多様なモビリティーの普及にスピード感を持って取り組んでまいりたいと思っております。
 もう一点、蓄電池についての御質問がありました。
 昨年、吉野博士がノーベル化学賞を受賞されたとおり、我が国は黎明期からリチウムイオン電池の開発に取り組み、車載用電池の分野でも世界をリードをしてきたわけであります。今後も、電池の低コスト化、軽量化、省スペース化など、電池の性能を向上させ、電動車の利便性を高めていくことが不可欠であります。
 また、電動車を再生可能エネルギー電気の貯蔵や電力系統の需給調整、災害時の非常用電源にも活用するなど、用途の拡大を図っていくことも、委員御指摘のとおり、大変重要なことであると思っております。
 このため、経済産業省では、全固体電池などの次世代電池の開発を進めるとともに、IoT技術により、電動車等を用いて需給調整を行う技術実証にも現在取り組んでおります。令和二年度当初予算においても、これらの事業に約百億円を計上しております。
 我が国が強みを持つ蓄電池、電動車の分野で今後も国際競争を勝ち抜けるよう、官民を挙げて取り組んでまいりたいと思っておりますし、体制もつくってまいりたいと考えております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 再生可能エネルギーのこともこの委員会で何度も議論されておりますけれども、発電が不安定な、一定の発電ができない再生可能エネルギーを本当の意味でベースロードとして使っていくためにも、この蓄電技術は極めて重要な技術であり、これは各国争って開発をしていると思いますので、引き続き強力な政府の後押しのもとに研究開発を進めていただきたいと思います。
 続いては、同じ自動車関係で、これは竹本大臣にお伺いします。
 公共交通を担っていく主体となる二種免許保有者、これは年々減少しておりまして、運転者自身の高齢化も進展をしております。最近では、地方都市レベルでも、不採算路線を中心に減便、廃線なども発生しております。運転者の確保が困難になっていく中、自動走行車への期待が高く、私の地元、愛知でも自動走行車の実証実験を各地で行っております。
 自動走行の社会実装に向けた現状の取組と今後の方針について、竹本大臣に御答弁をお願いいたします。

竹本国務大臣 自動運転は、少子高齢化が進む中、中山間地域の移動手段の確保など、我が国の社会課題を解決する技術として期待されております。
 このため、官民ITS構想・ロードマップを策定いたしまして、その中で、地域における無人移動サービスなどの実現に向けて官民一体となって取組を進めているところでございます。
 具体的には、自動運転の安全性向上に必要な技術開発を進めるとともに、各地の多様なニーズに応じるため、全国各地で実証実験を推進しまして、自動運転の実証や実用化に必要な制度見直しについても、昨年五月に道路運送車両法等が改正されたところであります。
 実際、私自身も、昨年十一月にお台場で行われた自動運転の実証実験で実験車両に試乗いたしました。車両は安定していて、乗り心地の非常にいいものでございましたけれども、自動運転の可能性を実感した次第であります。
 ただ、私の地元、大阪におきましても、レベルは違いますが、地域交通の路線バスのかわりとして、こういった自動運転の実証実験をやりまして、それにも参加しましたけれども、やはり、なれるということが非常に難しいということも感じました。従来の路線バスとどこが違うのか。例えば、団地の高齢化が進んだところでこういうバスサービスの実証実験をやったんですけれども、路線バスは時間どおりには走ってはいるんだけれども、それがなくなったら、かわりにこれを導入しようとしているんですけれども、なかなか、お年寄りがなれることが非常に難しいということを実証いたしました。その辺、技術開発しなきゃいけないと思っております。
 今後とも、官民ITS構想・ロードマップのフォローアップや改定を行いつつ、官民が連携した技術開発や実証実験も含めて自動運転の早期実用化に取り組むつもりでございます。
 以上です。

伊藤(渉)委員 現場のリアルなお話も伺いまして、ありがとうございます。
 まさに、二種免許など、既に人手不足で大変御苦労をいただいている業界も含めて、例えばトラックですと、既に隊列走行などの実証実験も行っていただいております。ああいった実証実験を見ても、高速道路上は隊列走行で行くんですけれども、では今度、高速道路からおりた後、具体的にどうするのかとか、潰していかなければならない課題は一つ一つまだたくさんありますので、引き続き竹本担当大臣の御指導のもとで進めていただきたいと思います。
 次は、赤羽国交大臣にお伺いします。
 高齢者の自由な移動の確保、高齢化や過疎化が進む地方の喫緊の課題であります。AIやIoT技術を活用したオンデマンドバスや相乗りタクシーなど、安全運行に十分配慮した上で、地域における公共交通サービスの利便性や効率性を確保する取組を総動員をして移動手段を充実させていく、これは地方創生にもつながる重要な取組だ、こう考えますけれども、国交大臣、このあたりはどのように取り組んでいくのか、答弁をお願いします。

赤羽国務大臣 今、その前に、やりとりされておりました高齢者による自動車事故というのは大変大きな問題でございます。
 私も、昨年、大臣に就任後、池袋の高齢者の運転事故により御家族を亡くされた方を含む交通事故の被害者の御家族の団体の皆様から直接お話を伺いまして、改めて、不幸な交通事故を撲滅していかなければいけない、こう強く決意をしたところでございます。
 国交省といたしましても、経産省と連携しながら、安全運転サポート車のさらなる普及促進、技術開発に全力を挙げていきたいということでございます。
 また、高齢者の運転免許の返納、これはどの家庭も大変親子げんかのネタになっているような話で、返したはいいけれども、それからどうやって生活をしていくのかというのは、私の地元、神戸市の北区でもそうしたことも大変大きな課題でございまして、その受皿となる公共交通、これをしっかりと支えていかなければいけない、こう承知をしております。
 ただ、なかなか公共交通機関も、少子高齢化、人口減少化で、維持をしていくことは大変難しい問題でございまして、そうした中で、交通政策審議会において今具体的な検討を進めておりますが、地域ごとに、地方公共団体が中心となって、一つは既存の公共交通サービスについて、いわゆるMaaS導入とか、またAI等を活用したオンデマンド交通や、また相乗りタクシーの導入等も認めることになりまして、その改善を図っております。
 それに加えて、公共交通機関だけではなかなか対応できないということもございますので、その地域実情に合わせて、自家用有償旅客運送ですとか、スクールバス、学校とか幼稚園とか医療機関とかさまざまなところでバスがありますので、そうしたことを活用した多様な輸送資源を総動員して、地域の移動ニーズにしっかり応えられる体制を強化すべく、取組を進めているところでございます。
 また、今回、そうしたことを踏まえて、新たな枠組みや事業メニューを盛り込んだ地域公共交通活性化再生法等の改正法案を本通常国会に提出すべく、今準備を進めているところでございますので、しっかりしたものを早期成立して、しっかり施行していきたいと考えております。

伊藤(渉)委員 赤羽大臣おっしゃるとおりで、移動手段がなくなる、あるいは、仮に運転免許を返納して自動車に乗ることをやめたりすると認知能力の低下にもつながるなどという話もあって、本当に安全な移動手段が確保できるのであれば、やはりいろいろ出歩ける環境をつくっていくというのは極めて重要だと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、総理にお伺いします。
 これまで議論してきたとおり、交通事故防止ということもそうですし、日本経済の屋台骨の一つであるのが自動車産業であります。MaaSやCASEといった言葉で表現されるように、大変革期に突入をしており、すさまじい国際競争の渦中にもございます。蓄電技術の研究開発や、レベル4と呼ばれる完全自動運転のための法整備など、あらゆる側面から政府の支援が必要となります。
 日本の自動車産業の優位性を確保するため、政府を挙げて、引き続き新しいモビリティー社会の実現に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、総理の御答弁を最後に求めます。

安倍内閣総理大臣 自動車産業は、我が国の製造業の約二割に当たる六十兆円の出荷額を誇る、高い競争力を持つ産業であります。また、部品やあるいは整備、ディーラーなど、地域や中小・小規模事業者も含めて裾野の広い産業であり、約五百万人の雇用を生み出す、日本経済の大黒柱と言ってもいいんだろうと思います。
 先ほどから伊藤委員も御指摘のとおり、自動車産業は、今、自動化、電動化といった大変革期にあります。国際競争は一層激しさを増しているわけでありまして、自動化技術は、高齢者のサポートや中山間地域の足を提供するなど、地方が直面する社会課題の解決に大きな力となり得るわけであります。また、電動化技術は地球規模での気候変動問題への対応に大きく貢献するものでありまして、我が国自動車産業がこれからも世界において高い競争力を維持できるように、政府一丸となって、こうした変革を力強く後押しする規制改革や研究開発など、あらゆる施策を講じていく考えでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 終わります。

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