政府、自衛隊を中東に派遣 目的、必要性など重要事項を公明の主張で閣議決定に 北側副代表に聞く(公明新聞2019/12/28) – 伊藤わたる衆議院議員

政府、自衛隊を中東に派遣 目的、必要性など重要事項を公明の主張で閣議決定に 北側副代表に聞く(公明新聞2019/12/28)

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政府は27日午前の閣議で、中東でのシーレーン(海上交通路)の安全確保に向けた情報収集態勢を強化するため、海上自衛隊の現地派遣を決定した。これについて、公明党の北側一雄副代表に見解を聞いた。

――自衛隊を中東地域に派遣する目的は。

北側一雄副代表 派遣の目的は、日本関係船舶の安全を確保するための情報収集態勢の強化にあります。中東は世界の主要なエネルギー供給源であり、日本は原油輸入の88%を中東に依存しています。日本関係船舶だけでも年間でホルムズ海峡は約3900隻、バベルマンデブ海峡は約1800隻が往来しています。中東地域の平和と安定は、日本と世界にとって非常に重要なのです。

しかしながら近年は、イラン核合意からの米国の離脱もあり地域の緊張が高まっています。今年6月には日本関係船舶が何者かに襲撃される事案が発生しました。こういう中にあって、船舶の安全確保に向けた取り組みは重要です。

――情報収集活動に、なぜ自衛隊を派遣するのか。

北側 中東では日本だけではなく、米国や英国、フランス、インドなど多くの国が海軍を派遣して情報収集活動を進めようとしています。外国の海軍と情報交換をするため自衛隊である必要があります。これらの国と連携して情報交換することで、安全な航路を確認することができます。その情報を日本関係船舶に伝えるのです。さらには、自衛隊は、今回の派遣区域に入っているアデン湾で10年間、海賊対処活動を行ってきた実績、経験、知見を持っています。

また、今回の派遣目的は、事態が緊迫して日本関係船舶を守るための海上警備行動の発令をする判断材料となる情報の収集であるため、やはり自衛隊の派遣は必要だと政府は考え、公明党も説明を理解しました。

■与党審査で要求、国会報告の義務付けも

――自衛隊派遣を閣議決定で決めた理由は。

北側 今回の派遣の法律上の根拠は、防衛省設置法の「調査・研究」です。調査・研究は、本来は防衛相の命令だけで可能で、普段は日本周辺の警戒監視活動をする程度です。ただ、中東は遠く離れており、緊張がある地域です。単に防衛相の命令だけで派遣すべきではない。「調査・研究」で、世界中の「どこでも」「いつでも」自衛隊を派遣できる先例にすべきではない。シビリアンコントロール(文民統制)を徹底する必要があると、公明党は考えました。

そこで、こうした重要事項だからこそ、政府全体が責任を持って派遣するという意味で、閣議決定で決めるべきだと訴えました。閣議決定には、事前の与党審査があります。今回、公明党も外交安全保障調査会を中心に政府と何度も論議を重ね、さまざまな注文をしました。

議論の中では、特に国会の関与を強く求めました。結果として、閣議決定時、その変更時、任務終了時には国会報告を行うと明記され、ここでも文民統制を徹底しました。このほかにも、目的、必要性、任務、装備、活動期間、活動地域など、重要な事項を閣議決定に盛り込ませました。

――閣議決定には、中東の緊張緩和、情勢安定化に向けたさらなる外交努力を引き続き行うとしている。

北側 中東の平和と安定を図るには、対立という根っこの部分を解決しないといけない。そのためには、何よりも外交努力が重要です。日本はイランをはじめ、中東諸国と関係が良好であり、一方で米国とも同盟関係です。対立している双方に働き掛けができる日本が、中東の安定に果たす役割は非常に大きいと考えます。実際、20日にイランのロウハニ大統領が来日して安倍晋三首相と会談しましたが、自衛隊の中東派遣に理解を示しています。

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