動き出す就職氷河期世代への支援(公明新聞2019/12/27 4面)
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カテゴリー:ブログ / 作成者:伊藤わたる
政府は、バブル崩壊後の不況期で就職難だった「就職氷河期世代」の就労支援を本格化させます。同世代の現状と、国の支援策をまとめました。(イラスト・福山英治)
就職氷河期世代とは、バブル崩壊による不景気で就職が厳しかった1990年代半ばから2000年代初頭に高校・大学などを卒業した世代です。1991年に2・86倍だった大卒の求人倍率は0・99倍まで急落し、未就職や非正規雇用になる人が増えました。
2018年時点で35歳から44歳の人は約1689万人。アルバイトなどの非正規社員は約371万人、このうち不本意ながら非正規で働く人は約50万人に達します。他世代と比べ、給与にも差が生じています。大学・大学院卒業者の10年から15年までの現金給与の推移を年齢別で見ると、同世代に当たる年齢の区分はマイナスです。バブル期に就職した人が多く、昇給がなかったとの指摘があります。
就労環境が改善していない実情を重くみて、政府は支援を本格化させています。「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)では今後3年間で、同世代の正規雇用者を30万人増やす目標を掲げました。今年度補正予算案と来年度予算案で、ハローワークへの専門窓口の設置や企業への助成金の拡充など施策を前に進める方針です。
公明党はこれまで、就職難の若者の支援につなげるため実態調査を実施したほか、「ジョブカフェ」の設置も進めました。2月には党「就職氷河期世代」支援検討委員会を設置。5月には政府に提言を行い、同世代への支援強化を訴えてきました。
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