サポカー普及で高齢ドライバー事故防ぐ
自動ブレーキ、急加速抑制装置を搭載した車に補助金支給へ/補正予算案に計上
「安全運転サポート車(サポカー)」の普及へ政府が13日に閣議決定した2019年度補正予算案に「サポカー補助金」が盛り込まれた。高齢ドライバーの事故防止に役立つと期待されている。公明党は、高齢ドライバーによる事故が相次ぐ事態の改善へ、政府に万全な対策を要望。サポカー補助金の導入を強く訴えてきた。
■新車購入最大10万円/後付け装置同4万円
サポカーとは、衝突の危険がある際に自動でブレーキをかけたり、ブレーキとアクセルのペダルを踏み間違えた時に急加速を抑制する装置を搭載した自動車【図参照】。
政府は19年度補正予算案でサポカー補助金に1139億円を計上した。19年度中に65歳以上になるドライバーが自動ブレーキと急加速抑制装置の両方を搭載した自動車を購入する場合、乗用車で10万円、軽自動車で7万円、中古車で4万円をドライバーに補助。自動ブレーキのみの場合は、乗用車で6万円、軽自動車で3万円、中古車で2万円。
既に購入している自動車に後付けの急加速抑制装置を設置した場合は、障害物検知機能付きで4万円、同機能がないケースで2万円を販売業者に補助する。
政府は補助金の対象となる具体的な車種・グレードや後付けの急加速抑制装置について、今後設置される「サポカー補助金に関する審査委員会(仮称)」による審査を経て決定・公表する方針。補助金の支給期間や申請の仕方なども、今後、通知される予定だ。
■踏み間違いなど際立つ運転ミス
交通事故の発生件数が減少傾向にある中、高齢ドライバーによる死亡事故の割合は高い。75歳未満のドライバーによる死亡事故は10万人当たり3・4件に対し、75歳以上は8・0件と2倍以上も多い。
75歳以上のドライバーによる死亡事故で多いのはペダルの踏み間違いなどの運転ミスだ。警察庁の資料によるとその割合は30%にも上り、75歳未満に比べ2倍近くも高い【グラフ参照】。
一方で、移動手段の選択肢が少ない地域にとって自動車はなくてはならない「生活の足」だ。高齢者の移動手段を確保しつつ、交通事故を防止するため、サポカーの普及が急がれる。
■公明、実現を強く訴え/党次世代カー普及推進PT座長 伊藤渉衆院議員
公明党は、あらゆる機会を生かしてサポカーの普及を政府に訴えてきました。例えば、菅義偉官房長官に対し、サポカーの普及に向けた補助を提言したほか、国会質疑でも既販車に対する後付けの安全運転支援装置の購入支援を求めてきました。
補正予算案にサポカー補助金が盛り込まれたことでサポカー普及に弾みがつくことは確かですが、相次ぐ高齢ドライバーの事故防止には、さらなる対策が必要です。これを踏まえ、今後は自動ブレーキ機能搭載の義務化や、サポカーに限定した運転免許の導入などについても検討を進めていく方針です。
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