マンション老朽化対策 – 伊藤わたる

マンション老朽化対策

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/ カテゴリー:ブログ / 作成者:伊藤わたる

行政の後押し急務! 
管理状況の届出義務化 
実態把握し、支援につなげる 
東京・豊島区

全国の築40年を超えるマンションはこの15年間で4万戸から115万戸に急増している【グラフ参照】。このうち、48%で世帯主が70歳以上だ。建物と居住者の“二つの老い”などを背景に、マンションが管理不全に陥ると、地域の住環境に影響を及ぼしかねない。適切な管理の促進や老朽化対策が急務であることから、行政として後押しする取り組みが始まっている。

築40年以上のマンション数の推移(推計)

■実態把握し、支援につなげる

■推進条例を制定

東京都豊島区では、世帯の約8割をマンションなどの共同住宅が占め、その管理に関する住民からの相談が年々増加傾向にあったことから、2012年に「マンション管理推進条例」を制定し、翌年に施行した。

同条例の特徴は、管理状況の届け出を義務化したことだ。マンション管理は、主に入居者などの区分所有者で構成される「管理組合」が行うが、これが機能していないマンションは管理不全に陥り、劣化が急速に進みやすい。同条例はこうした実態を把握し、支援につなげることを目的としている。

届け出の義務化によって、管理規約の未整備や高齢化による組合活動の担い手不足など、マンション管理の課題が見えてきた。

特に深刻なのが、老朽化対策で重要になる長期修繕計画が未作成であったり、存在しても修繕が実施できていないというマンションが、いずれも2割超に上ったことだ。

そこで豊島区では、マンション管理士などの専門家派遣事業や修繕計画策定のための調査費助成制度などの支援や情報提供を行っている。

■「認定」制度創設

今年2月には、区として今後のマンション管理の適正化に関する目標や実施すべき施策を定めた「マンション管理適正化推進計画」を策定。一定の基準を満たすマンションを認定し、管理水準の向上につなげる「管理計画認定制度」もスタートさせた。今後は、管理不全の予兆があるマンションに対し、より踏み込んだ取り組みを進める。

区の関与によって、築40年を超えるマンションで修繕費の積み立てなどが進み、管理の健全化につながった例もある。担当者は「行政が関わることで、適正管理への布石を打つことができるのでは」と語る。

■国、長寿命化促す税優遇/立地自治体の「計画」策定など条件に

適正管理の促進に向け、国は今年度、大規模修繕工事を適切に実施したマンションについて、固定資産税を減額する「長寿命化促進税制」を創設した。築20年以上かつ10戸以上のマンションで、防水や外壁塗装などの長寿命化工事を過去に一度以上実施しており、その上で23年4月から25年3月末の間にもう一度、長寿命化工事を完了した場合、各戸の所有者が支払う固定資産税が2分の1~6分の1減額される(減額割合は自治体によって異なる)。

ただ、この税制が適用されるには、マンションが立地する自治体(市や区。町村の場合は都道府県)が、豊島区のように「管理適正化推進計画」を策定していること、さらに、自治体から基準を満たすマンションとしての「認定」を受けていることなどが必要となる。

こうした計画の策定や認定制度によって、管理水準の向上へ自治体が積極的に関与していけるようにしたのが、公明党の推進で22年に施行された「改正マンション管理適正化法」だ。管理が不適切なマンションに対しては、自治体が助言や指導、勧告なども行えるようにした。

現在、同計画を策定した自治体は全国平均で64%。国土交通省の矢吹周平参事官(マンション・賃貸住宅担当)は、「深刻化するマンション問題の解決に向け、まずは各自治体が計画を策定し、支援の取り組みを強化してほしい」と語る。

■地方と連携し取り組む/公明党マンション議員懇話会 伊藤渉幹事長(衆院議員)

全国で約1500万人が住むマンションの老朽化や管理水準の低下は、国民の住生活を揺るがす重要な問題であり、放っておけば地域環境の悪化など、自治体のまちづくりにも影響を及ぼす。

公明党は、こうした課題を早くから捉え、2000年に議員懇話会を結成。マンション管理適正化法の制定など、マンション問題の解決に一貫して取り組んできた。今年度から始まった長寿命化促進税制についても、大規模修繕工事の実施を促すため、業界団体などと連携しながら推進してきた。

国会・地方議員のネットワーク力を生かして、自治体による管理計画の策定や認定制度の普及拡大など、居住者や地域住民の不安を取り除く対策を進めていく。

(行政の後押し急務!)マンション老朽化対策/管理状況の届出義務化/東京・豊島区

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