「核なき世界」へ歩みを – 伊藤わたる衆議院議員

「核なき世界」へ歩みを

ブログ

/ カテゴリー:ブログ / 作成者:伊藤わたる

核兵器廃絶日本NGO連絡会の討論会から

2021/08/08 公明新聞

広島、長崎に原爆が投下されて76年目を迎えるのを前に、核兵器廃絶日本NGO連絡会が主催する討論会が5日、広島市と各地をオンラインで結んで開催されました。これには与野党の代表者らとともに、公明党から山口那津男代表、核廃絶推進委員長の浜田昌良参院議員が参加しました。討論会の模様と山口代表らの発言要旨を紹介します。

■被爆国・日本の役割重要/山口代表らが参加、核禁条約への対応を議論

今回の討論会は、今年1月に発効した「核兵器禁止条約(核禁条約)」への日本の対応について議論することを目的に開かれました。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員で、核兵器廃絶日本NGO連絡会共同代表の川崎哲氏が司会を務め、「来年初めに予定されている核禁条約締約国会議と核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、今、日本は何をすべきか、どのような政策を準備すべきかを討論していきたい」と述べました。

核禁条約は2017年に採択され、今月4日現在、86カ国が署名し、55カ国が批准していますが、日本は厳しい安全保障環境などを理由に署名・批准していません。

討論会の中で公明党の山口代表は、核禁条約について「当面、日本は締約国会議にオブザーバーとして参加し、唯一の戦争被爆国として積極的な貢献を果たすとともに、中長期的には、日本が批准できるような安全保障環境をつくり出していくべきだ」と強調。オンラインで参加した浜田参院議員は、「核保有国と非保有国との『真の橋渡し』を担えるような日本政府の取り組みに期待したい」と述べました。

国連事務次長の中満泉氏(軍縮担当上級代表)は、「核兵器が意図的にせよ、事故、誤算であれ、使用されてしまうリスクが1980年代以来、最も高くなっている現実がある」と指摘し、締約国会議が核軍縮に向けた重要な一歩になると力説。日本のオブザーバー参加が実現すれば、核廃絶に向けた「日本の立場を表明する機会になる」との考えを示し、国内での検討を促しました。

また会合では、日本原水爆被害者団体協議会事務局次長の児玉三智子さんが、広島での凄絶な被爆体験を語り、「絶対に地球上に核兵器があってはならない」と訴えたほか、来年の第1回締約国会議で議長を務める予定のアレクサンダー・クメント氏(オーストリア外務省軍縮・軍備管理・不拡散部長)がオンラインで、「日本は唯一の戦争被爆国として歴史的役割を果たしてもらいたい」とオブザーバー参加を呼び掛けました。

■(登壇者の発言要旨)

■締約国会議、積極的に貢献せよ/公明党 山口那津男代表

核禁条約に対する公明党の考え方は、当面、日本は締約国会議にオブザーバーとして参加し、唯一の戦争被爆国として積極的な貢献を果たすとともに、中長期的には、日本が批准できるような安全保障環境をつくり出していくべきだというものです。

一方、核軍縮・非核化の新たな潮流が感じられます。今年2月、米国とロシアの間で新戦略兵器削減条約(新START)が2026年まで延長されました。6月の米ロ首脳会談の折に発表された共同声明では、「核戦争に勝者はなく、戦われてはならない」というレーガン・ゴルバチョフ宣言も再確認され、同様の趣旨が後日、中国とロシアの共同声明にも盛り込まれました。

核禁条約の採択・発効の機運を、どう生かしていくか。その道筋を示すのは日本の役割です。「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」などを通じて、各国の共通の基盤となり得る措置を提案すべく、政府の取り組みに期待します。

■オブザーバー参加、検討して/国連事務次長 中満泉軍縮担当上級代表

国連のグテレス事務総長は、核禁条約発効の際、「核兵器のない世界という目標に向けた非常に重要な一歩」と、多国間主義に基づいたアプローチに強力な支持を表明しました。来年の第1回締約国会議は、核軍縮への一つのプロセスの始まりです。

対人地雷禁止条約など他の条約でも、非締約国がオブザーバーとして会議に参加し、さまざまな見方を提供することが目標達成に貢献しています。(締約国会議には「核廃絶」という目的を持つ)日本の立場を表明する機会として、オブザーバー参加を検討してもよいのではないでしょうか。

来年は、NPTの締約国会議も開催されます。核禁条約とNPTは対立関係にあるのではなく、核軍縮の強化という点で補完関係にあります。安全保障環境が激変する中で、新しいビジョンを構築していかなければなりません。核軍縮を巡る重要なツールとして、各条約が機能していくための議論が進むよう、国連も役割を果たしていきます。

(写真は犬山・小牧での国政報告会の様子です)

犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
犬山・小牧での国政報告会
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧

カテゴリー

アーカイブ