きめ細かな教育実現へ – 伊藤わたる

きめ細かな教育実現へ

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小学校1クラス35人/来年度から5年で移行

政府は昨年12月、公明党が一貫して主張している「少人数学級」を実現させるため、公立小学校の1クラスの人数について、2025年度までに現在の40人(小学1年生のみ35人)から35人以下へ段階的に引き下げることを決めた。全学年一律で上限を引き下げるのは約40年ぶり。先行事例とともに、公明党の取り組みを紹介する。

■コロナ禍の3密回避も

 「35人学級」が決まった背景には、きめ細かな教育を実現するために以前から検討されていた少人数学級に加え、今回の新型コロナウイルスへの対応として教室での「3密」回避を求める声の高まりがあった。35人学級に必要な教職員は21年度から5年間かけて確保する。

 その第1段階として政府の21年度予算案に、小学2年生の教員を増やすための費用を計上した。中学校に関しては今後の検討課題としている。

■先行導入の秋田県、学力、生活面で成果

 秋田県は01年4月から、公立小中学校の1学級の人数を30人程度とする「少人数学習推進事業」を始めた。小学1、2年生から順次導入し、16年には県が独自で定める基準に該当する公立小中学校で少人数学級が実現している。

 「40人学級ではきめ細かな教育が難しい。特に小学1、2年生は少人数の環境で生活、学習習慣を身に付ける必要があると考えた」――。県教育庁義務教育課の佐藤光典管理主事は、導入の経緯をこう語る。当時、県内公立小中学校の約3割で、1学級当たりの人数が30人を上回っていた。

 そのため、比較的人数が多い学級の少人数化に向け、30人程度の学級編成を目標に、学級増と常勤・非常勤講師の採用を実施。19年度までに累計118億6000万円の県予算を投じた。

 導入成果も表れている。文部科学省の全国学力・学習状況調査を基にした県の分析によると、県内で学級規模ごとの平均正答率を比較したところ、18年度では▽10~20人学級が66・1%▽21~30人が65・3%▽31~40人が64・7%――と、少人数学級の方が正答率が高い傾向が分かった。また、1000人当たりの不登校の児童生徒数も、小中学校で全国平均を下回っていた(19年度、文科省調査)。佐藤管理主事は「児童生徒に目が届きやすくなり、寄り添った指導がしやすくなった」ことが要因とみている。

■福岡市は今年4月、全小中でスタート

 都市部でも少人数化を前倒しする動きがある。福岡市は04年4月から、小学1、2年生を対象に希望校で少人数学級を実施した。10年に小学4年生まで対象を拡大し、35人以下を達成。中学1年生は、09年に学校が少人数化を選択できるようになった。04年度の1学級当たりの平均児童生徒数は、小学校31・3人、中学校34・4人だったが、20年度では小学校27・7人、中学校31・6人まで減少した。

 導入後の学校へのアンケートには、「一人一人の興味関心を捉えやすく、子どもに応じた指導ができる」との声が聞かれるほか、「保護者との連携が取りやすくなり、基本的な生活習慣への指導をしやすくなった」など、肯定的な声が寄せられている。

 こうした中、同市は今年4月から市立小中学校の全学級を35人以下にする。コロナ禍での教室内の「3密」を避ける狙いもある。

 課題は教室の確保だ。全体の学級数が増えるため、20年度の市補正予算で関連費用を計上し、教室の改修を進めている。市の担当者は、「子どもたちの安全・安心が最優先。コロナ禍で生徒同士の距離が保てるよう、実施に踏み切った」と強調する。

■公明、学びの保障を長年訴え

 公明党は、不登校やいじめ、学級崩壊といった学校が抱える問題を解決する対策の一つとして、学級の少人数化を粘り強く主張。1999年には、党の基本政策に盛り込むなど一貫して推進してきた。

 2001年には、公立の小中高校で少人数学級の設置を可能にする義務教育標準法の改正を後押し。地域における児童生徒の実情や必要性などに応じて少人数学級の編成が可能になった。

 今回のコロナ禍を受け、子どもの学びを保障する観点から、昨年6月30日、当時の安倍晋三首相に対し、30人以下の少人数の学級編成を可能とするよう提言。政府の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」が明記された。

 21年度予算編成に向けては、党文科部会などが昨年9月10日に萩生田光一文科相へ、10月9日には加藤勝信官房長官、11月30日に伊藤渉財務副大臣(公明党)に対して申し入れを行うなど、政府に対し実現を強く働き掛けてきた。

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