持続化給付金の対象拡大への舞台裏 – 伊藤わたる

持続化給付金の対象拡大への舞台裏

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フリーランスらの願い受け“前例なき支援”矢継ぎ早に/「苦しむ事業者のため」国会論戦で道開く

 「必ず道を切り開き、一人でも多くの人に給付金を届ける」。公明党内のチームで持続化給付金を担当する参院議員の浜田昌良と衆院議員の鰐淵洋子は、そう覚悟を固めていた。

 新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ事業者の事業継続を支えるために――と公明党が制度設計から携わり、5月に創設された持続化給付金。これまでに250万を超す経営者に着実に届けられ、「本当に助かり感謝している」「固定費の支払いや借り入れの返済に充てられた」と安堵の声が広がっている。

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 一方、税の申告方法の違いで対象から漏れたフリーランスからは、要件緩和を求める訴えが地方議員にも寄せられた。その切なる願いを受け、浜田や鰐淵を中心に党会合や、国会論戦で、政府に改善を求めていた矢先、5月14日付の全国紙に“別の補助金で支援”との方針が報じられた。

 「一歩も引かない。絶対に持続化給付金で」。浜田は朝刊を手に、鰐淵や政務調査会長の石田祝稔と電話で対応を相談。連日のように、政府側との協議に汗を流した。

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 そもそも持続化給付金は、前年に比べ収入が半減した中小企業(最大200万円)や個人事業主(同100万円)に支給するものだ。事業収入を得る法人も個人も幅広い業種が対象になり、使い道を限らず事業全般に使える“前例のない給付金”とPRされた。

 だが、減収の証明は、税務処理上の事業所得で判断されるため、主な収入を雑所得や給与所得として計上するフリーランスが対象外に。今年創業の中小企業も、前年との売り上げが比較できないことを理由に給付金が得られなかった。

 政府は課題を認めながらも、迅速な支給を進める観点から制度の修正には二の足を踏んだ。局面を打開したのは、現場第一に徹する公明党の執念だった。

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 「政府の補助金案では使途が限られ、コロナ禍で苦しむフリーランスを救えない」「スピードも重要だが、丁寧な対応を」。浜田と鰐淵の訴えに呼応するように、公明議員が国会質問で、石田も5月20日の記者会見で主張。同22日に官房長官の菅義偉に申し入れた政策提言にも盛り込んだ。

 党一丸の矢継ぎ早の行動が実を結び、同日夕に経済産業相の梶山弘志が対象拡大を正式発表、6月29日の申請開始にまでこぎ着けた。その後も、給付金を必要とする人に確実に届けられるよう、石田らは7月17日に経産相にきめ細かな対応を求め、すぐさま運用を改善させた。

 「どこまでも現場に寄り添い、より良い制度にしていく。苦しむ事業者のために」。浜田と鰐淵の決意に揺らぎはない。(敬称略)

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