トラック代金の適正な支払い促せ – 伊藤わたる衆議院議員

トラック代金の適正な支払い促せ

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/ カテゴリー:ブログ / 作成者:伊藤わたる

4/12の国土交通委員会で、トラック運送業の取引価格の適正化と特車申請の短縮を訴えました。

運送の対価であるトラック運賃に、積み込みなどの付帯業務が含まれる場合があることを指摘し、その改善を求めました。

質疑の模様はこちら → https://youtu.be/cBc8ah2q4bk

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。
 今、政権与党は、経済政策として、いわゆる賃上げを伴う経済の好循環を目指しまして、さまざまな努力を重ねております。その中にあって、私ども公明党は、経済再生調査会というテーブルで累次にわたって政府に状況の確認をしながら、賃上げが伴うように努力を重ねているところでございます。
 それに関連をして、きょうは、国土交通の所管であるトラック事業についてまず質問をしたいと思います。
 政府は、これまでも、財界に向けて賃上げを再三にわたって要求をしてきていただいております。これはこれで極めて重要な取組であるのと同時に、現場でさまざまなお話をお伺いしますと、いわゆるBツーB、例えばトラックであれば荷主とトラック事業者のやりとり、このあたりの価格が適正化をされていかないと、実態として、それらを請け負っている中小・小規模事業者の賃上げはままならないであろう、こういう問題意識を持って取組を進めております。
 それで、これまでの取組の中で、今ちょっと資料を配らせていただいておりますけれども、例えばトラック運送につきましては、既に平成二十九年十一月四日に、いわゆる標準貨物自動車運送約款、これが改正をされておりまして、少し確認をさせていただきますけれども、ここにあるとおり、例えば一で、運賃と料金の区別を明確化をした。
 つまり、これまで運賃というのは、運送、運んでいるお金に加えて、それに付随する、荷物を積みおろしてみたり、それを積み込んでみたり、また、荷物をとりに行ったはいいけれども、荷物をとれるまでに待っている時間とか、全部込み込みで実は運賃という定義に何となくなっていた。それを、この二十九年十一月四日の改定では、運賃が運送の対価であるということを明確化をしております。加えて、今までその中に含まれているように行われていた附帯業務、また積込み、積卸し及び待ち時間、これはいわば運送以外の別料金ですよ、こういう約款を国として周知をしていただいたわけでございます。
 このペーパーには裏面もございまして、それぞれ、荷主が行うこと、トラック事業者が行うことも明確にして、このチラシは国交省のホームページから拾えるんですけれども、これが今、周知を継続して行われているというものであります。
 あわせて、この国土交通委員会で、昨年の暮れには、ちょうど参議院で平成三十年十二月八日に成立をした改正貨物自動車運送事業法、ここでも、この標準貨物自動車運送約款に従って事業者が運送約款を定め、定めないと大臣認可が受けられない、ここまで徹底をしたわけであります。
 しかし、現場で、事業者の方、また荷主の方、このお話をしておりますけれども、ぴんときていない方がまだまだ大勢おみえになるというのが私が実感している実情であります。
 そこで、まず国土交通省にお伺いをいたしますけれども、この運送約款の改定、法律はまだ施行になっていないと思いますので、これが現場でどの程度具体的に進展をしているのか、この点についてまず国土交通省の答弁を求めたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生からただいまるる御紹介いただきましたように、トラック運送事業につきましては、これまでの商慣習によりまして、荷主都合により生じた待機時間、附帯作業などに係るコスト負担の扱いが不明確となっている面がございます。
 このような状況を改善し、サービスに見合った対価を収受できる環境を整えるため、運賃と料金の範囲の明確化等を内容とする標準貨物自動車運送約款の改正を行ったところでございます。
 この約款につきましては、ことしの三月二十九日現在で一般貨物自動車運送事業者約五万七千者のうち約八割が使用しておりまして、そのうちの約七六%が改正後の標準約款に沿って料金の届出を行っております。
 また、全日本トラック協会が策定をいたしましたトラック運送業の適正取引推進のための自主行動計画のフォローアップ調査では、例えば、附帯作業料が発生する場合の取引代金への反映につきまして、おおむね反映できた又は一部反映できたとの回答は、他のトラック事業者へ依頼する発注者としての立場におきましては六五%、荷主から運送を受託する受注者としての立場におきましては五〇%となっておるところでございます。
 このように、改正後の標準約款は一定程度浸透してきているところでありますが、更に、引き続き、改正後の標準約款に基づく届出がなされるようにするとともに、実際の取引代金への反映が進むよう、事業者及び荷主に対して、理解が進むよう働きかけてまいりたいというふうに考えております。
 また、これも御紹介いただきましたけれども、昨年末に議員立法により改正されました貨物自動車運送事業法では、運送の対価としての運賃とそれ以外の役務の対価としての料金を区分して収受する旨が運送約款の認可基準として明確化されたところでございます。
 改正標準約款の実効性を確保するためには荷主の理解を得ることが大変重要でございます。これまでも、経産省、農水省の協力を得まして、関係する荷主団体及び企業計千カ所に関係省庁との連名による協力依頼書や改正概要リーフレットを送付するとともに、関係団体等への説明やセミナーを行ってまいりました。
 今後も引き続き、全国各地のセミナー等において荷主企業などに対し説明を行い、協力要請を行いますほか、ホワイト物流推進運動においても、運賃と料金の別建て契約を荷主企業に呼びかける事項として盛り込むなど、積極的に周知活動を進めることを始め、約款改正の趣旨について荷主の理解が更に広く進むよう、関係省庁と連携して荷主に対する働きかけをしっかりと行ってまいります。

伊藤(渉)委員 今のちょっと答弁の確認ですけれども、運送約款については七六%の方が事業者として定めている、そのうち、ちょっと答弁が正確に理解できませんでしたけれども、仕事を請け負っている側の立場からすると、その約款の内容が反映されているのは五〇%というふうに聞きました。
 だとすると、七六%掛ける五〇%ですので、実際にそのようになっているのは約三八%というふうに理解をしましたけれども、という理解でよろしいですか。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、最初の点は、いわゆる標準貨物自動車運送約款を採用している事業者が全事業者のうちの八割あるということでございます。その八割のうち七六%の事業者が改正後の標準約款に沿って運賃と料金を区分したものを届け出てきているということでございます。
 それから、次の話は、これは、全ト協のフォローアップ調査で、大手二十者に対してフォローアップをかけておりますけれども、附帯作業料が発生した場合の代金への反映がちゃんとできたかということについて尋ねましたところ、まずは、トラック事業者自身が発注者である場合には六五%ができたという回答でありまして、受注者としての立場におきましては五〇%がもらえたという回答であったということでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。
 そうすると、今の話だと二十者を対象に調べただけということですね。トラック協会、大手二十者。
 そうすると、トラック協会加盟事業者全体でいうとどれぐらいになっているかということは掌握されていますか。トラック事業者というのは山ほどいますので。二十者の中の割合は今理解できましたけれども、全体でいうと。

奥田政府参考人 先ほど最初に御説明した点で申しますと、まず、新約款を使用する者が全体の事業者のうちの八〇・五%、新約款に基づいて運賃・料金を届けてきた者がそのうちの七六・四%でありますので、八〇・五%掛ける七六・四%で、全事業者のうちの六一・五%が新しい約款に対応してやっているということでございます。

伊藤(渉)委員 ポイントは、その定められた約款どおりにいわゆる事業が行われていくようにどう我々も働きかけをしていくかということですので、それが先ほどの話ですと六四%とかいう話でしたかね。
 ちょっとそこは細かい話なので次に行きますけれども、あわせて、これは事業者の理解とあわせて荷主の理解を広げていかなきゃいけないのと、更に踏み込んで言うと、荷主だけではなくて、事業者の皆さんとお話ししていると、荷物をお届けした先でも、先ほど出てきたような、いわゆる運賃とは異なる作業が発生をしていて、それらがほとんどサービスで行われている。
 これは国土交通行政だけではタッチをできないので、経産省等とも連携をして、荷主への周知ということを更に深度化していかなければならないと思いますけれども、その辺の進捗度合い、先ほど少し答弁の中に入っていたと思いますけれども、進捗としてどの程度、もし管理ができているのであれば、御紹介をいただきたいと思います。

奥田政府参考人 お答え申し上げます。
 この改正標準約款の実効性確保のためには荷主の理解を得ることが大変重要でありまして、これまでも、経産省、農水省の協力を得て、関係する荷主団体及び企業計約千カ所に関係省庁との連名による協力依頼書をやったり、あとは全国でセミナーを開催する等の活動を続けてまいりました。
 あと、ホワイト物流推進運動というものを始めておりますけれども、これも、参加の呼びかけをいたしまして、全上場企業及び各都道府県単位での上位五十社の企業に対して働きかけをしたということでありまして、こういった働きかけを関係省庁で連携して引き続きやってまいりたいというふうに考えているところでございます。

伊藤(渉)委員 これは、我々、党としても、経済産業省を中心に、いわゆる消費税の転嫁問題などを調査する方々としてGメンと呼ばれる人たちがいて、その方々にも情報を共有させていただいて、文字どおり、現場でどうなっているかということを引き続き我々としても要請をし、把握をできるようにしていきたいと思っております。
 冒頭申し上げたとおり、繰り返しになりますけれども、賃金が上がらなければ、今やっている経済政策である物価の上昇ということは絶対に起きません。賃金以上に物価が上がるというのは経済的にあり得ないことですので。
 そう思うと、特に、七割の雇用を抱えている中小企業の賃金をどう上げるか、そう考えたときに、BツーB取引が改善をしなければ中小企業の賃金は上がらないというところに思い至り、現在、公明党としてはその取組を進めております。
 その一環として、国土交通行政のこのトラック事業も、大変厳しい環境の中で経済の現場を支えていただいている皆様方ですので、その点、引き続き協力をして、状況の改善に努めていきたいと思います。
 もう時間が切れてきておりますので、次の質問は、ちょっとイントロダクションで、最初のことだけ聞いて、きょうは私の質問を終わりたいと思います。
 このいわゆる物流、運送事業の生産性を向上させる、これも賃金上昇につながってくるわけですけれども、生産性を向上させるという観点で、実はやはり、物を運ぶ皆さんと話をすると何が出てくるかというと、大型特殊車両の通行許可、これに係る申請が大変時間がかかるケースがあってとても困っていると。お客様に頼まれても、その許可がおりるまでに時間がかかって、なかなかいつ運べるのか約束できない、これが現場の悩みであります。
 なので、きょうは一問だけ、まず現状をお伺いしますけれども、この通行許可発出までの審査日数は、現在、おおむね平均で何日ぐらいになっているのか。もしわかれば、一番長いとどれぐらいかかっているのか、そんなことも、通告していないのでわかればで結構ですので、御紹介いただければと思います。

池田政府参考人 一定の重量や寸法を超える車両が道路を通行する場合に、道路の構造を保全するため及び交通の危険を防止する観点から、事前に道路管理者によりまして特殊車両通行許可を出して通行していただくこととなっております。
 この特殊車両通行許可の審査に要する日数でございますけれども、直近の平成三十年度の下半期の実績で約三十四日ということになっております。
 御質問の中の、最大でということについては、ちょっと手持ちがございませんので、また後ほど報告させていただきます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。
 もう時間になりますのでこれで終わりますが、現場で聞いていると、長いものではやはりまだ三カ月とか聞いたりするんです。もちろん、それは極めてレアケースだと思います。
 その中身についても、今後、またこうした質疑を通して明らかにして、その改善ができるように我々も努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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