『偽装請負』について – 伊藤わたる

『偽装請負』について

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 こんにちは。梅雨明けの青空もつかの間、台風のシーズンが到来です。近年は都市型水害も多発していますので、お互いに油断を排し十分な備えを心掛けたいものです。

《偽装請負とは?》
 ここ数日、新聞にも掲載されている「偽装請負」とは、本来、労働者派遣契約に基づいて提供されるはずの派遣社員が、請負契約の名の下に派遣されることを言います。派遣の場合は、派遣元事業主には労働契約、賃金支払い、時間外労働協定の締結、労災補償等の責任が、派遣先には労働者の危険・健康障害防止措置、労働時間等の責任があります。一方、偽装請負の場合は労働者派遣契約を締結しないまま労働者を派遣しますので、本来派遣先にあるはずの安全衛生等の責任があいまいになり、危険防止措置が十分に講じられず、労働者が労働災害に遭うなどの恐れが高まります。

《最近の動向》
 請負事業に係る指導監督実施件数は、H15年度には300~500件程度であったものが、H17年度には600~900件程度と増加傾向をたどっており、早急な是正が求められています。また偽装請負の撲滅には、非正規雇用ではなく正規雇用による安定的な雇用確保が重要であり、経済界の協力も不可欠です。

《おわりに》
 行政あるいは企業がコスト削減に努め、より安く・より良いものを国民あるいは市場に提供することは大切なことですが、競争が激化すればするほど、それに携わる人間のモラルの重要性がクローズアップされると考えます。
“何のため”という目的の根底に“一人を大切に”という心がなければ、殺伐とした冷たい世の中になってしまいます。

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