【里見りゅうじ 物語】~次男から生命の尊さ学ぶ~ – 伊藤わたる

【里見りゅうじ 物語】~次男から生命の尊さ学ぶ~

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 小学生の時、父が買ってきたニュートンなどの伝記に夢中でした。父は私の興味が海外に向いていることを感じ取ったのか、英語辞典も買ってきたのです。

「英語を勉強しないといけない」と伝えたかったのかもしれません。私は「海外に雄飛したい!」と思うようになり、勉強にも熱が入りました。

 労働省(現・厚生労働省)に入った後、海外勤務の希望が実り、2004年、イギリスの日本大使館に一等書記官として赴任し、約3年間働きました。先進的なニート支援を調査したり、スイスのジュネーブで開催されていた国際労働機関(ILO)総会に日本代表団の一員として参加したりし、多くの経験を積みました。

 やりがいを感じて仕事に励む中、家族に困難が降りかかりました。イギリスで生まれた次男の伸治が生後約2カ月で脳腫瘍を発症したことです。ILO総会の直後でした。関わっていたテーマは「労働者の健康と安全」。

人類の健康について議論する自分と、わが子の病気をどうすることもできない自分。病院のベッドで管につながれて横たわる伸治を見て、自分の無力さに涙を流しました。

 伸治は、計10回の手術を受け、帰国後は病院で闘病生活を送りました。私は、職場と病院を何度も往復し、妻と交代で付き添いを続けました。休まることのない日々でしたが、生きようと頑張る息子に毎回励まされました。

 08年8月、伸治は2年4カ月の生涯を閉じました。小さな体で長時間の手術に耐え、重い病と闘い切った伸治。自分の姿を通して生命の尊さを教えてくれたと思うと、感謝の思いでいっぱいです。

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