児童相談所 夜間対応 万全に
がんの外見ケア進めよ
衆院予算委で伊藤氏
衆院予算委員会は25日、社会保障などに関する集中審議を行い、公明党の伊藤渉氏が児童虐待の防止や、がん対策の充実を訴えた。
伊藤氏は、党地方議員が知人から受けた相談として“ある女の子から「父親に虐待されている」と午前0時ごろメールがあり、児童相談所(児相)に電話したが対応できる職員がおらず、手を打ってもらえなかった”という事例があったことに言及。夜間を含め緊急時に速やかな対応が取れるような体制整備を求めた。
根本匠厚生労働相は、児相の増設や人員増に加えて、児相OBの活用や警察職員・OBの配置に、さらに取り組む考えを示した。
伊藤氏は、虐待に関する相談への対応について、会員制交流サイト(SNS)の活用も要望した。
がん対策について伊藤氏は、治療に伴う脱毛や肌のトラブルなど、外見の変化の悩みに対応する「アピアランス(外見)ケア」に触れ「患者の生活の質を保つために重要だ。医療としての必要性が認められる場合は保険適用も含めて一層の推進を」と強調した。
大口善徳厚労副大臣(公明党)は、医療従事者への研修などを強化するとともに「有効性・安全性などが確立されたものは保険適用していく」と答えた。
治療と仕事の両立へ「傷病手当金」改善を
がんの治療と仕事の両立に向け伊藤氏は、病気休業中に健康保険から支払われる「傷病手当金」の改善も主張。支給開始日から最大1年半の支給ではなく、公務員らの共済組合と同様、休職と出勤を繰り返しても休職期間のみを通算して同1年半の間、支給されるよう求めた。根本厚労相は「保険者をはじめ関係者の意見を踏まえながら検討したい」と述べた。
がんの遺伝情報(ゲノム)を活用する「がんゲノム医療」を巡って伊藤氏は、検査や治療の過程で見いだされた遺伝性疾患の患者や遺伝的なリスクのある未発症者が、雇用や保険契約で不利益を被らないような対応を要請した。大口厚労副大臣は、関係省庁と連携して事業者に周知啓発するほか、医療従事者が相談に対応できるよう研修を進めていくと答弁した。
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