歳費返還へ法改正めざす
国会議員の当選無効受け、公明案の策定、早期に/記者会見で石井幹事長
2021/05/08 公明新聞1面
公明党の石井啓一幹事長は7日午前、衆院第2議員会館で記者会見し、有罪が確定して当選無効になった国会議員の歳費について、現行法では国が返還請求できる規定や自主返納できる仕組みがないことから、歳費返還の仕組みをつくるため、党として議論を開始する考えを示した。石井幹事長の発言は大要、次の通り。
一、公職選挙法違反の罪で有罪が確定し、当選無効となった河井案里元参院議員が受け取った歳費などについて、2月3日に議員辞職するまで4900万円余りの歳費などを受け取っていたことから、広島県の住民らが国に返還させるよう求める訴えを起こした。
一、現在の歳費法には、当選無効となっても国が歳費の返還を請求できる規定がない。自主返納も公選法が禁じる「寄付行為」に該当してしまう問題がある。買収という民主主義の根幹を揺るがす選挙違反を犯して当選無効となったにもかかわらず、歳費を受け取れるのは、国民、有権者から見て到底納得できる話ではない。歳費法などを見直し、国会議員の歳費返還の仕組みをつくるべきだ。公明党としても議論を開始し、立法化をめざしたい。
一、(歳費返還の立法化について)まずは党内で公明党案を早急にまとめて、自民党や野党にも働き掛けたい。今国会中に成立できれば、最も望ましい。国民、有権者の声に応え、政治とカネの問題に関する、けじめの一つにもなるのではないか。
■党内論議がスタート/現行規定の論点整理
公明党政治改革本部(本部長=井上義久副代表)は7日、衆院第2議員会館で役員会を開き、国会議員歳費の支給停止や返還などを可能とする仕組みづくりに向け、検討に着手した。石井啓一幹事長、井上本部長、斉藤鉄夫副代表、西田実仁参院会長らが出席した。
会合では、公職選挙法違反などで国会議員の有罪が確定し、当選無効となった場合でも、現行法には歳費の返還請求規定がないことを踏まえ、歳費の支給停止や返還に関する論点を整理した。
その上で、▽勾留期間中は、議員活動を実質的に行えないことから、歳費の支給を停止できるか▽当選無効になった場合、歳費の返還を可能にできるか――との二つの観点から、検討を進める必要性を確認。歳費法などの早期改正をめざし、具体的な作業に着手する方針を共有した。
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