防衛施設周辺などの重要土地調査法案
自由な経済活動に配慮し必要最小限の規制に
北側副代表が説明
2021/03/24
北側一雄副代表は記者団に対し、同法案の目的や意義などについて、大要、次のような見解を述べた。
①(法案の目的・概要について)重要施設や国境離島がもつ安全保障上の機能を阻害するような土地利用を防止することが目的だ。在日米軍基地を含む防衛関係施設、海上保安庁の施設、重要インフラの周辺区域と、国境離島などを「注視区域」に指定し、政府に利用実態などの調査権限を付与する。
また、注視区域のうち、特に重要性が高い施設などの周辺区域を「特別注視区域」に指定し、一定以上の面積の土地を売買する際、氏名や国籍などを事前に届け出ることを義務付ける。
② 法律の適用対象は、指定された両区域内で土地を利用する国内外の全ての人だ。法律の目的自体は理解するが、手段として経済活動を規制することになる。目的を達成するための手段が不必要に広範かつ過度な規制になってはならない。こうした観点から、党内や自民党との間で協議を重ねてきた。
③(公明党の主張について)強く申し上げたのは、経済活動の自由に対する規制は必要最小限度であること。また、個人情報保護への配慮だ。現時点の条文案には、総則に「個人情報の保護に十分配慮」し、規制を「必要な最小限度のものとなるようにしなければならない」と盛り込むことで自民党と合意した。これは法律上の解釈や政府が成立後に定める基本方針、今後の運用に関する指針となるため、大きな意味がある。
④(注視区域、特別注視区域の指定について)要件は法律や基本方針に、できるだけ明確に書く必要がある。政府には、より具体的な形で示してもらいたいと求め、考え方を示してもらった。また、指定の条件に該当するとしても、さまざまな事情を考慮して指定しないことができるような考え方を基本方針に明記することになった。その根拠として、指定については、「経済的社会的観点」から留意することを法文上に盛り込む方向だ。
⑤(罰則について)法案には3カ所、罰則規定がある。刑罰を求める以上、どういう場合に刑罰が科されるのか、できる限り予見可能性を確保していく必要があることから、与党協議で明確にした。
⑥(透明性の確保について)政府には、透明性を確保することが必要であり、実際の施行状況を国民に公表してもらいたいと求めた。現時点で政府からは、毎年、その概要を取りまとめた上で、国会も含めて広く国民に公表すると説明があった。
⑦(自治体との関係について)区域の指定は事前に自治体から了承を得ることにはなっていないが、地元の市町村は関心があり、よく連携しないといけない。区域の指定を行う前には、関係自治体と意見交換していくと政府から説明があった。
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