宇宙開発、日本も加速へ – 伊藤わたる衆議院議員

宇宙開発、日本も加速へ

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基本計画工程表を改訂

政府は昨年12月15日、宇宙政策のスケジュールなどを示す宇宙基本計画の工程表を改訂した。この中には、宇宙探査の推進や民間企業の参入を促す環境整備、災害時における人工衛星の活用などの取り組みが盛り込まれている。宇宙開発へ果敢に挑む宇宙基本計画のさらなる加速をめざす工程表の概要を解説する。

■(月面探査)軌道回る有人拠点など20年代後半に本格化

 今回の工程表改訂で注目を集めているのが、宇宙探査に関する取り組みだ。

 宇宙探査といえば、昨年12月の「はやぶさ2」による小惑星サンプルの地球への持ち帰りが記憶に新しいが、国際社会で宇宙開発競争が激化する中、次は月面探査に向けた国際協力に熱い視線が注がれている。

 米国が国際社会に提案し、日本も参画することに合意している有人月面探査「アルテミス計画」は、2024年に有人月面着陸、20年代後半の持続的な月面探査本格化をめざすものだ。

 同計画について工程表では、日本の技術を生かして、月軌道を周回する有人の宇宙ステーション「ゲートウェイ」の居住棟への生命維持装置などの提供や補給機などの開発を進める。

 また、日本独自で月面へのピンポイント着陸をめざす小型月着陸実証機「SLIM」を22年度に打ち上げる目標を盛り込んだ。今後、日本の月面活動の戦略について、21年半ばまでにまとめることも明記した。

 このほか、今も宇宙を飛び続けている、はやぶさ2の本体の新ミッションや、火星・木星にある衛星の探査計画などの参画も盛り込まれた。

■(民間参入)市場規模の拡大に備え衛星利用の裾野広げる

 工程表のもう一つの柱には、宇宙産業への民間企業の参入拡大を踏まえた環境の整備がある。

 国際社会では近年、民間の宇宙産業による小型人工衛星、ロケット開発、衛星データ利用の分野などへの進出が急拡大している。世界における宇宙産業の市場規模は現在の約40兆円から、40年代には100兆~300兆円になるとの推計もあるほどだ。

 特に小型人工衛星については、20~24年までに最大2400機近くが打ち上げられると予測されており、国内企業の参入も相次いでいる。

 こうした中で、人工衛星などを狙ったサイバー攻撃の懸念が民間企業参入の妨げになっているとの問題がある。工程表においては、衛星のデータを狙ったサイバー攻撃の予防策をまとめた指針を21年度に策定することを明記した。

 また、人工衛星の脅威となるスペースデブリ(宇宙ごみ)を抑制し、地球軌道上で安全に事業を実施する際のルール作りについても、21年度中をめどに中長期的な取り組みの方針を策定するとした。

 このほか衛星については、国産衛星のフルデジタル化などを進め、より競争力のある衛星開発をめざす取り組みも行う。

■迅速に被災状況を把握

 災害時の宇宙技術の活用にも力を入れる。豪雨災害や大規模地震などの災害時の被災状況を迅速に把握し、被災者への避難情報の提供に役立てるシステムを整備する。

 さらに、台風や集中豪雨の予測、火山監視といった国民の安全・安心を確保する気象観測体制の確立をめざすとし、29年度をめどに、ひまわり9号の後継機の運用を開始するとした。

■公明の主張を反映/予算が1.23倍増に

 公明党は宇宙の開発・利用委員会(委員長=斉藤鉄夫副代表)を中心に、政府に対し十分な宇宙予算の確保などを訴えてきた。

 昨年12月1日には、財務省で伊藤渉財務副大臣(公明党)に対し、アルテミス計画を含めた宇宙探査技術開発の促進など、宇宙予算の抜本強化に向けた党の決議を申し入れるなどした。

 同委員会の新妻秀規事務局長(参院議員)は工程表改訂について、「官民連携の強化や災害時に宇宙技術を活用することなど公明党の主張も多く反映されている。20年度第3次補正予算案と21年度当初予算案には工程表を実現するため、前年度比で1.23倍の合計約4496億円が盛り込まれた。引き続き、日本の宇宙技術が発展し、国民に役立つよう訴えていきたい」と強調している。

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