「陽子線」に保険適用を
副作用など軽減 小児がん治療に有効
石井氏らが筑波大を視察
公明党がん対策推進本部の石井啓一顧問(政務調査会長)らは17日、茨城県つくば市の筑波大学付属病院(五十嵐徹也院長)にある陽子線医学利用研究センターを訪問。小児がんに有効とされる陽子線治療について、櫻井英幸センター長らと意見を交換した。同本部の高木美智代、古屋範子両副本部長、伊藤渉事務局長(いずれも衆院議員)のほか、中島義雄、栗林のり子の両都議も同行した。
陽子線治療とは、がんに対する放射線治療の新技術。従来のX線治療が、がん病巣以外の正常組織にも影響を与えてしまうのに対し、陽子線はがん病巣だけを狙い撃ちするように照射できる。このため、副作用が少ないという利点がある。
特に同センターは、小児がんに対する陽子線治療に力を入れてきた。小児は放射線の影響を受けやすいため、X線治療によって骨の成長や知能の発達などに障がいが現れる恐れがある。一方、陽子線では、こうした合併症を、より抑えられるほか、X線治療の影響による2次がんの発症率も低くできるという。
しかし、同治療は現在、入院費などには保険が適用される「先進医療」に認定されているが、250万~290万円もの治療費を要することが、大きな課題となっている。
この日、石井氏らは、治療室で設備について説明を受けたほか、櫻井センター長から「放射線によって小児がんが治ったとしても、X線の影響で発症した合併症は一生涯続き、その治療費も高額になるため、小児には陽子線治療が最適だ」「小児がん患者の親は、20代や30代前半が多く、陽子線治療の費用を負担できない」などの実情を聞いた。
石井氏は「保険適用に向け、党として努力する」と語っていた。
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