最善の高齢者医療制度を構築せよ!!
愛知に戻る新幹線の車中でこの原稿を書かせていただいた。
連日、地元では長寿医療制度についての説明を続けている。正しい報道ばかりとは言えず、ご心配を頂いている皆様には本当に申し訳ない限りだ。
我が国の医療費は、高齢化と相まって増加の一途をたどっている。もちろん高齢化そのものは、我が国が世界に冠たる長寿国となった証であり、喜ぶべきことだ。一方、そのために必要になる医療や介護といった社会保障制度をどう再構築していくのか。政治の大きな課題の一つだ。
再構築にあたって大切なことは、国民皆保険制度、つまり、ほぼ全ての国民が保険制度に加入しているという我が国の誇るべき制度をどう維持していくかが眼目となる。保険制度についてあらためて説明させて頂くと、通常、すべての方々が社会に出て仕事を始めると、何らかの健康保険制度に加入し保険料を納めていただく。生涯健康な方は、保険料は納めっぱなしということになる。一方、願わずして体調を崩された方は、様々な形で医療機関のお世話になる。このとき、窓口の費用負担は通常3割、高齢者の方で1割となり、長期入院を強いられた方でも高額療養費制度によって自己負担は最大でも十数万円となる。それ以外の医療費は、皆様に収めていただいた保険料及び税金によって賄われている。つまり保険制度とは国全体の助け合いの制度になっているということだ。こうした制度は世界的にも大変優れた制度であり、だからこそ、その維持に努めるのが政治の努めだと思う。
そうした背景でスタートした長寿医療制度だが、制度の運用という観点から見ると、高齢者の皆様への医療の提供を将来にわたり確保するため、今まで不明確であった費用負担を明確にしたものだ。75歳以上の皆様の全体医療費の5割を税負担、4割を現役世代の保険料で負担、残りの1割を75歳以上の皆様にご負担いただくというもの。
当事者である高齢者の方々への負担は1割に抑えているところからも、“お年寄りいじめ”等という批判はあまりにも事実と異なる。個々人の保険料負担も7割の世帯では軽減されているという記事が読売新聞の独自調査として5月29日付の一面に掲載された。さらに低所得者への保険料軽減策、年金天引きの在り方、保険料の算定基準を世帯から個人単位へと変更するなど、必要な見直しを実施していく。
05年の衆議院選マニフェストに「透明で、独立性の高い、新たな高齢者医療制度の創設に取り組みます」と書いた民主党は、対案もなく長寿医療制度の廃止法案を国会に提出した。あいかわらず支離滅裂と言わざるを得ない。政治家たる者、自らの発言に責任を持たねばならない。
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