通常国会のポイント
こんにちは。今日は1/24(水)、東京に比べると名古屋は少し寒いですね。
さて、いよいよ明日から第166通常国会が、6月23日までの150日間の日程で始まります。今日はこの通常国会で審議される法案について、いくつか箇条書きにしてみました。少々長くなりましたがご覧下さい。
1)労働法制の見直し
○まず、通常国会で審議される法案の中で大きな注目を浴びているものに労働法制の見直しがあります。中でも重要なもののひとつに、労働契約法を新たに制定することがあげられます。現在の労働法制では、労使紛争は労働組合と企業の団体交渉を通して処理されることを想定しており、労働者個人と企業の間の権利・義務に関する事柄は、民法や民事訴訟法に委ねられてきました。
○しかしバブル経済崩壊後に労働市場の多様化が進んだことや、労働組合の組織率・影響力が低下したことから、個別の労働紛争が急増し、それまで年間500件前後だった労働訴訟が、今や2000件を超えています。
○労働契約法は、こうした企業と個人の労働契約の基本ルールを定めるもので、契約の成立、労働条件の変更の手続き、懲戒、解雇などの基本ルールを明文化することによって、これまで裁判の判例の積み重ねに頼っていたルールが労使双方にとって分かりやすくなり、労働紛争の予防につながることが期待されています。
○次にパート労働の問題ですが、今や全労働者の4分の1、実に1200万人を超えるパート労働者の雇用環境改善は、労働者全体の問題ともいえます。
○現状では、パート労働者の1時間当たり賃金(賞与等含む)は正社員に比べると、男性で42・8%、女性で58・7%にとどまっており、これを同年齢で比較すると、男性正社員の給与が最も高くなる50~54歳では、男性正社員と女性パートの差は3倍近くまで広がっています。このような現状を踏まえ、通常国会で提出予定のパート労働法改正案では、パートであることだけで賃金や待遇に差別をつけることのないよう、均衡処遇を推進することとしています。
○また、失業給付など雇用保険についても正社員とパート労働者の差別を廃止して要件を統一し、給付対象を拡大します。さらに、現在週30時間以上の勤務、またはサラリーマンの妻ならば年収130万円以上となっているパート労働者の厚生年金加入の枠を拡大することも検討しています。
○なお、最近話題となったホワイトカラー・エグゼンプションですが、これは、事業の企画などにかかわる職種のうち、一定の収入や権限のあるサラリーマンを、1日8時間、週40時間の労働時間規制から除外(エグゼプト)し、働いた時間ではなく仕事の成果で賃金を払うという制度ですが、この制度を導入してしまうと「残業」という概念がなくなり「残業代ゼロ」という制度になりかねません。見なし残業、賃金未払いが横行している今の日本に、このような制度を安易に導入することはできません。
○我が党の太田昭宏代表は、厚生労働省によるホワイトカラー・エグゼンプション導入に「待った!」の声を上げ、国民生活を守るため、制度の導入には慎重の上にも慎重を期すよう強く求めたのです。これが引き金となり、1月17日、自民、公明の与党幹事長、国会対策委員長、政務調査会長の会合で、ホワイトカラー・エグゼンプションの通常国会での導入は見送られることとなりました。他にも最低賃金の引き上げなど、雇用の格差是正のために公明党は主導的な役割を果たしてまいります。
2)欠陥住宅の被害救済
○住宅の安全・安心の確保にも公明党は力を入れています。昨秋の臨時国会では、マンションなどの耐震強度偽装事件の再発を防止するため、建築士の資質向上策などを盛り込んだ改正建築士法が成立しました。
○この改正建築士法では、建物の安全性に対する信頼回復を目的としていましたが、今回の通常国会では、欠陥住宅の購入者の保護策として保険制度を創設する「特定住宅瑕疵担保責任確保法案」を提出します。
○これまでは、買った住宅に瑕疵(欠陥など)があっても、売り主に資力が無い場合や、倒産した場合は補償されず、購入者はいわば「泣き寝入り」の状態でした。しかしこの新法は、保険制度を創設して欠陥住宅による被害者を救済する画期的なものとなっており、この法案の成立に向け、公明党は全力を挙げて参ります。
3)ドクターヘリを全国配備
○次に、ドクターヘリの全国配備をめざす特別措置法案の早期成立を目指しています。
○この特別措置法は、ドクターヘリを、救命救急センターなど、地域の中心的な病院で、医師が直ちに搭乗可能な場所に配備し、ドクターヘリを用いた救急医療を全国的に確保するために必要な措置を盛り込んでいます。
○救命救急センターから遠い場所で事故などが起きた場合、救急車では大幅に時間がかかりますが、ドクターヘリを利用すれば、すぐに治療が受けられるという安心感を持つことができます。また、ドクターヘリの配備によって、地域間の医療格差の解消にも大きな期待が寄せられています。
○公明党は2004年12月にプロジェクトチームを党内に設置し、党のマニフェストにもドクターヘリの全国配備を明記し、現場の視察や、実際に運航している救命救急センターの医師から現状の報告を受けるとともに、数々の意見交換や検討を重ねてきました。今回与党として提出される法案も、すでに発表されている公明党案がベースとなっており、公明党はドクターヘリの法制化の動きを一貫してリードしてきました。
「国民の生命を守る」ということに、最も真剣なのが公明党です。この通常国会でも、公明党は「国民のための改革」を貫き、主張すべきはしっかり主張し、公明党らしさを、さらに鮮明に打ち出していきます。
そして子どもたちの未来、働き手の未来、そして確かな社会保障の未来のために責任を持って政策を実現し、今年の政治決戦である、統一地方選、参院選を断じて勝ち抜き、公明党の真骨頂を発揮してまいります。
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