障がい者の雇用促進 – 伊藤わたる

障がい者の雇用促進

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7月3日(木)、障がい者雇用促進の取り組みを把握すべく、中電ウイング株式会社ならびに株式会社ジェイアール東海ウェルを視察しました。両社は障がい者雇用促進法に基づき、障がい者の法定雇用率1.8%を満たすため、また企業としての社会貢献という観点から、それぞれ中部電力(株)、JR東海(株)が出資して設立した特例子会社です。

午前10時、まずは私の地元名古屋市南区にある中電ウイング(株)を訪問。エントランスは非常に開放的な空間となっており、障がい者の方々の真の自立を目指す同社のコンセンプトを体現したものとなっていました。現在、約50名の障がい者の方が、デザイン・印刷・箱詰・包装・花栽培等々の事業に取り組んでおり、平成15年4月の事業開始以来、既に単年度黒字を実現しているとお聞きし、私は正直驚きました。

同社の専務曰く「どこまでも彼らをプロとして育てたい。そのためには、ビジネスとしても成功する必要がある」と。経営陣の情熱と、真に障がい者の自立を願う心がひしひしと伝わってくるとともに、今日までのご苦労の一端を垣間見た気がしました。

午前11時過ぎにはジェイアール東海ウェル(株)へ。こちらは事業開始が本年の4月ということもあり、真新しい社屋とともに、これまでの様々な特例子会社のノウハウを集積した素晴らしい施設となっていました。健常者よりも災害時の避難に時間がかかることなどを考慮し、導線をほぼ直線に確保していることや、火災発生時の排煙効率を考え、天窓が一斉に解放される仕組みになっている等、ハード面で対応できることは極力実現されているように見受けられました。事業所の中では、名刺入れの箱作りが行われており、代表の方、もちろん障がい者の方ですが、作業概要を非常に流暢に説明して下さる姿はとても輝いて見えました。

障がい者雇用促進法の制定により、こうした取り組みが活発化し、最終的には各企業が自主的に、また社会貢献の一つとして積極的に取り組んでいただける日も決して遠くないと感じました。ジェイアール東海ウェル(株)の社長曰く「日々、心が洗われるような気がします。こうした取り組みの中で、企業も大切な何かを学んでいく気がするんです」と。

社会的弱者への支援が、今の世で忘れ去られようとしている、人間としての大切な何かを取り戻すことができるのではないか。そんな希望の光を見出した、貴重な一日でした。

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