被災者 生活・なりわい再建へ
補正予算案が衆院通過
2018年度補正予算案(単位・億円)
<歳出>
■災害からの復旧・復興 7275
西日本豪雨 5034
北海道の地震 1188
台風21号や大阪府北部地震など 1053
■学校の緊急安全確保策 1081
公立学校へのエアコン設置 822
危険なブロック塀改修 259
■予備費の追加 1000
(合計 9356)
<歳入>
■建設国債の追加発行 6950
■税外収入 42
■17年度の剰余金 2364
(合計 9356)
衆院は2日、本会議を開き、今年相次いだ自然災害からの復旧・復興費用などを盛り込んだ2018年度補正予算案を全会一致で可決、参院に送付した。被災者の生活・なりわい再建のための費用など公明党の主張が大きく反映された。
補正予算案の総額は9356億円。このうち、西日本豪雨や大阪府北部地震、台風21号、北海道胆振東部地震などからの復旧・復興費用として合計7275億円を計上した。河川や道路などの公共土木施設の修復のほか、被災中小企業の資金繰り支援、被害を受けた農家への支援、関西国際空港連絡橋の復旧支援などが含まれる。
学校の安全対策では、今夏の記録的な猛暑を踏まえ、熱中症対策として公立小中学校などの普通教室全てにエアコンを設置するため、822億円を計上した。対象は未設置の約17万教室。公立小中学校などの倒壊の危険があるブロック塀の改修には259億円を充てる。
民間ブロック塀 耐震診断早く
衆院予算委で伊藤氏
本会議に先立つ衆院予算委員会で締めくくり質疑に立った公明党の伊藤渉氏は、10月31日の参院代表質問で山口那津男代表が民間のブロック塀の安全対策を訴え、安倍晋三首相が耐震改修促進法に基づく耐震診断の義務付けや、撤去費用の支援を検討すると答弁したことに触れ、「来年度から実施できるよう速やかに検討すべきだ」と強調した。
石井啓一国土交通相は、耐震改修促進法の政令などの改正について、「年明け早々にも施行すべくパブリックコメント(意見公募)を実施している。耐震診断や撤去する場合の費用は19年度予算概算要求に盛り込んでいる」と述べた。
エアコン設置では、工事が学校の春休み期間などに集中した場合、工事業者が十分に対応できるか懸念があると指摘し、「時期がずれ込む際は予算を翌年度に繰り越し可能にすべきだ」と述べた。柴山昌彦文部科学相は、事業者への需要量の情報提供などで調整を進め、予算については繰り越し可能になるよう準備していると述べた。このほか、伊藤氏は被災自治体への財政支援なども訴えた。
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