「戦争を取材する」ー故・山本美香さんの本を読んで
戦争の悲惨さ伝え続けた故・山本美香さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
「たくさんの命がひっそりと失われている」・・・この言葉が心に痛みを残す。
深刻な宗教対立や大国間の思惑、これらを乗り越えて平和を取り戻すことは容易ではないだろう。
山本さんは紛争地に生きる女性や子供たちに焦点をあて続けた。明日をも知れぬ毎日の中、1日1日を懸命に生きる庶民の姿。過酷な運命にもめげず、負けるものかと歯を食いしばって生きる子供たち。
そんな姿から、人間の強さ、人間のたくましさ、そして悲惨な戦争の実像を伝え続けた。
紛争の根本に貧困の問題がある。
国連の2011年版世界人口白書によると、2011年10月31日に世界人口が70億人に到達したと推計されている。
その内、日米欧のような先進国に暮らす人は20%程度。80%、50億人を超える人が、アジアやアフリカなどの貧しい国で暮らしている。1年で1500万人もの命が貧しさのために奪われている。そのほとんどが子供だ。
貧しい国の人々が苦しんでいる原因は私たちのような豊かな国とも大きな関係がある。
世界中の人が生きていける食料は十分にある。100%ある。しかし、豊かな国に暮らす20%の人が、世界の70%の食糧を食べてしまっている。残りの30%の食べ物を、80%の人が分け合っている。(池間哲郎:「懸命に生きる子どもたち」参照)
民衆の中に深く入って、民衆とともに苦しみ、悩み、そして一緒に喜び、笑い・・・こうした精神が為政者に少しでもあれば、事態を改善することができる。残念ながら、日本の政治家の多くも我が身の保身と政局に汲々としている。
日本の柱に!先輩から受け継いだ魂を胸に、今日も全力を尽くします。
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