障がい者施策の充実に向けて – 伊藤わたる衆議院議員

障がい者施策の充実に向けて

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8月5日(火)、厚生労働大臣政務官の最後の任務として広島県因島市を訪ねた。ここに障がい者施策の一つの理想形があると聞いたからだ。
名古屋から新幹線で約2時間、新尾道駅に到着し、そこから車で約1時間。宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』の舞台と見まがうような、穏やかな海に面した場所に目的の施設は建っていた。

障がいを持つ親の最大の心配事は、親の亡き後の子供の生活だ。
今回視察させていただいた高齢者・障がい者地域生活総合支援センター「はばたき」に興味を持ったきっかけは、この施設を利用されている障がい者の子を持つ親から「これで何の心配もない」との声を聞いたからだ。
この施設は5階建てで、1階が知的障がい者と高齢者の方のためのデイサービスセンター、2階が高齢者のグループホーム、3階が知的障がい者のグループホームとなっている。また4階と5階はファミリータイプのマンションとなっており、このマンションには障がい者の子を持つ家族が入居している。
施設周辺には、同社会福祉法人が運営する授産施設や特別養護老人ホーム等が点在し、障がいを持つ子供達も障がいの度合いに応じて就労にも参画している。
そうした環境の下で、一歩ずつ自立していく障がいを持つ子供の姿を目の当たりにし、親御さんが心から安心する、という事実が積み上げられている。

この社会福祉法人の理事長は、自らも障がいを持つ子の親として、昭和55年から様々な取り組みを行ってこられたとお聞きした。
視察の際、理事長と親しく懇談させていただいたが、話をしていると、社会福祉法人の理事長というよりは事業家といった印象を受ける。
理事長は授産施設も運営されているが、常々、「サービス精神」ということを話されており、施設の中でもの作りをするだけでなく、ふとんの消毒・乾燥といった、これまでは主にシルバー人材センターが行っていた作業を授産施設の方で請負う等、様々な事業を展開されている。
こうした事業展開は、障がい者にとって社会との接点となっており、現に仕事に取組む中で一般就労を勝ち取っていく方々も多くいらっしゃると伺った。

今、国の施策は福祉から就労へシフトしようとしている。
しかし、これを真に実現するためには現場の様々な知恵と国のサポートが必要だ。
掛け声だけでは誰もついてこない。
「福祉はその国の文化だ」。理事長の言葉が心に残った。

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