生命の尊厳を全ての政策の柱に!!
11月30日(金)14時40分から厚生労働省内に設置されたフィブリノゲン資料問題及びその背景に関する調査プロジェクトチーム(以下、調査PT)の最終報告を行った。翌12月1日(土)の朝刊には、告知の件について「国の責任否定」との見出しが躍ったが、調査PTの一員として、あらためてご報告申し上げたい。
この調査PTは、フィブリノゲン製剤投与によるC型肝炎患者の418名の症例資料の一覧表等の資料について、存在しないと思われていたマスキングの無い資料が厚生労働省の地下倉庫から発見されたことに端を発し立ち上げられたものだ。その後、舛添大臣の指示を受け、平成14年当時、なぜ患者個人への告知を検討しなかったのかという点も大きな調査対象となった。
結果は一連の報道に概要が記されている通りで、国は患者の視点に立ち、製薬会社から医師を通じて患者の皆様に告知し、検査受診を促すことに思いを致すべきであった。このことを重く受け止め、反省し、早期の告知により治療を期待できる疾病については、告知方法などについて今後検討を進めることなどを取り決めた。しかし、現時点では行政機関に責任があるとまでは言い切れないとした。
この結論に至るまで、調査PTにご協力いただいた弁護士の間でも最後の最後まで意見が分かれた。また現在係争中の案件でもあり、短期間で実施した調査PTの報告の中で結論付けられるものではないとの意見もあった。
なお、新聞報道には全く掲載されていないが、私は「行政が責任を取れないのであれば、政治家として精一杯の責任をとるべきである」と繰り返し主張し、調査報告書概要版の最終行に、「今回の一連の問題により、厚生労働行政に対する国民の信頼を著しく損ねたことについて、我々政治家としても重く受け止め姿勢を示すべきである」との一文を追加した。
無論、この問題はこれで終わりにはならない。実際に苦しんでいる方々がいる以上、終りになる訳がない。行政機関はともすると国民の安全を守ることよりも、組織の防衛を優先しがちな体質を内包する。それを打ち破るのが政治家の使命であり、ひいては行政に対する国民の信頼を回復する唯一の道だとも思える。「どこまでも、信ずる道を進むまで」と心に決め、さらなる前進を期する決意である。
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