軽減税率 〜低所得者ほど大きな恩恵〜
おはようございます。明日で阪神・淡路大震災から21年。当時、私はJR東海の社員として全力で復旧の任にあたりました。お亡くなりになられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
さて、H27年度補正予算の審議が、舞台を参議院に移して行われています。この予算審議でも度々議論されている軽減税率制度は、OECD(経済開発協力機構)加盟国34カ国中、日本とチリ以外の32カ国で導入され、EUでは28カ国全ての国で導入されている世界的に定着した制度と言えます。
軽減税率が食品全般(酒類・外食を除く)と新聞に適用されると、家計の税負担はどれくらい軽くなるのでしょうか。今日は、特に低所得者対策としての効果をご紹介します。
日本総合研究所が総務省の家計調査を基に、その負担軽減額を試算したところ、年収300万円の勤労者世帯(家族2人以上)は年間1万1040円、年収1000万円の同世帯では1万6440円に上ることが分かりました。
これを可処分所得(手取り収入)に占める割合でみると、年収300万円の世帯で0.38%、1000万円の世帯で0.24%となり、所得の少ない世帯ほど、その割合は高くなります。
軽減税率が、消費税率が上がると低所得者ほど収入に対する食料品などの生活必需品購入費の割合が高くなり、高所得者よりも税負担率が大きくなるという「逆進性」の緩和に効果を発揮するのは明らかです。
また、一般世帯に比べて惣菜や弁当といった加工食品をよく購入するとされる高齢者世帯にとって恩恵は大きいと言えます。年間の負担軽減額は、年収250万円の高齢夫婦世帯(夫は65歳以上で無職、妻60歳以上)で1万2720円、年収150万円の一人暮らし高齢者世帯(無職)でも6840円となります。(公明新聞1月1日付 参照)
慶応大学法学部の片山義博教授(元総務大臣・民主党政権時)は、「軽減税率が低所得者対策にならないという批判は的外れだ。低所得者にとって消費税率が10%になるのと、8%のままなのと、どちらが良いか。8%のままの方が良いに決まっている。例えば、「高所得者は高価な食べ物をたくさん買うから軽減される額が大きい。軽減税率は金持ち優遇だ」という指摘がある。しかし、金額の大きさではなく“痛み”の度合いでいえば、低所得者にとっては、負担が数百円軽くなるだけでも大きく違う。同じ2%の消費税率引き上げでも、明らかに低所得者への恩恵は大きい。つまり、痛みの解消度合いでいうと、高所得者と比べて低所得者の方がより軽減税率の恩恵を受ける。消費税の負担感が低所得者ほど大きくなる「逆進性」がその分だけ緩和されるのは明らかだ。」と語っています。(公明新聞12月28日付 参照)
また財源についても、社会保障を削って捻出することはしないと何度も総理が国会で答弁しており、本年1年かけて歳入・歳出のそれぞれを見直しながら財源確保に責任を持って取り組みます。
いよいよ国会論戦は激しさを増してきます。責任ある立場でしっかりと議論し、「大衆とともに」全力で政策実現に取り組んでいきます!!
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